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パッチワーク

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図版:モルドバワインを生む大地(キシナウ,モルドバ)

モルドバワインを生む大地
(キシナウ,モルドバ)

今月はモルドバワインの芳香漂うパッチワーク模様から紹介する。

ここは東欧の内陸国モルドバの首都,キシナウ。この地域は古代からワインの生産が有名で,ギネスブックに登録されている世界最大の貯蔵量を誇るワイナリーや,英国王室御用達のワイナリー等,数多くのワイナリーが存在する。また,平坦な土地が広がり肥沃な土壌に恵まれていることから,小麦やトウモロコシといった大規模な圃場が広がり,日本政府の支援もあって農業の近代化も進んでいる。これらの圃場の作物種別の色調の違い,作物を刈り取った後の圃場の土質の違いから,衛星で撮影するとパッチワークキルトのような複雑な模様を見せる。

地図:キシナウ,モルドバ
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図版:川と“テーラ・ロシャ”が織りなす農地(プリメイロ・デ・マイオ,ブラジル)

川と“テーラ・ロシャ”が織りなす農地
(プリメイロ・デ・マイオ,ブラジル)

一転して,ブラジル南部パラナ州の都市,プリメイロ・デ・マイオ。カンポで知られる南部の平均標高約1,000mの広大なブラジル高原に位置する。火山活動や地殻変動の影響を受けたことのない安定した地盤に,パラナパネマ川,チバジ川が複雑に入り組む地形。それに合わせてつくられた圃場がパッチワーク模様となる。この地域は“テーラ・ロシャ”と呼ばれる玄武岩や輝緑岩等の火山岩が劣化して形成された赤紫色の土壌で覆われており,水はけが良く,コーヒーの栽培に適すだけでなく,現在は大豆や小麦,トウモロコシ等が栽培されている。ところどころに見える市街地から圃場の大きさが想像できよう。

地図:プリメイロ・デ・マイオ,ブラジル

T.A.R.O.

衛星画像のスペシャリスト集団。東京・日本橋にて超小型衛星の設計・製造・運用を行うアクセルスペース社のビジネスチーム。画像は,24時間365日,高度500kmの上空から地球観測(リモートセンシング)を続ける同社開発の超小型人工衛星「ほどよし1号機」が撮影したもの

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