ホーム > KAJIMAダイジェスト > September 2021:特集 鹿島DX > デジタルとリアルが融合した多様な人が活躍する世界

デジタルとリアルが融合した多様な人が活躍する世界

顧客・社会の課題・ニーズに対して,
異分野・異業種との交流などを通じて,デジタルによる解決力・対応力を強化し,中核事業で培ったハードの強みにソフトを掛け合わせた新たな価値を創出する。

図版

鹿島グループはデジタルを駆使し
SDGs(持続可能な開発目標)の達成に
貢献する

スマートビルの提供による新たな価値創造

顧客課題・ニーズを解決するスマートビル(オフィス,ファクトリー,ホスピタルなど)の企画・設計・施工・運営において競争力を有し,「建物OS※1」を活用して各社のソリューションを最適にアセンブルするデジタルゼネコンの地位を獲得する。

当社が考えるスマートビルのコンセプトは,全ての人の成果を最大化する“WELLNESS”,持続可能な社会の構築に寄与する“SUSTAINABLE”,他社と価値を共創しながら未来に繋げる“CONNECTED”の3つ。当社独自のスマートビルメニューを拡充し,新たな価値を施主の先にいるユーザーにまで提供する。

※1 単体の建物から収集できるデータを連携して活用するためのプラットフォーム

改ページ

スマートシティ・ソサエティの拡張による社会価値提供

社会・都市課題解決を目的に,データやサービス連携基盤である「都市OS※2」をパートナー会社と連携し発展させ,都市単体のサイロ型都市から,地域へ展開可能な分野横断型都市OSサービスへの展開を目指す。そして,当社施工の建物や都市のインフラ維持管理などのリアルデータを都市サービスに転換し,都市が抱える多様な課題の解決を図るサービスを提供していく。

※2 その都市にあるエネルギーや交通機関をはじめ,医療,金融,通信,教育などの膨大なデータを集積・分析し,それらを活用するために自治体や企業,研究機関などが連携するためのプラットフォーム

スマートシティ・ソサエティの拡張イメージ

スマートシティ・ソサエティの拡張イメージ
参考: 総務省「データ利活用型スマートシティ推進事業の取組について」(2019年4月)

改ページ

スマートシティ・ソサエティの拡張による
社会価値提供
デジタルの力で,地域や社会の課題を解決する

スマートシティに関する取組み
HANEDA INNOVATION CITY

羽田空港第3ターミナルから1駅,「天空橋駅」に直結する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity)。当社が代表企業を務める羽田みらい開発と大田区が官民連携で開発する,「先端」と「文化」の2つをコア産業とするまちだ。

※羽田みらい開発:鹿島建設,大和ハウス工業,京浜急行電鉄,日本空港ビルデング,空港施設,東日本旅客鉄道,東京モノレール,野村不動産パートナーズ,富士フイルムの9社が設立した本事業のみを遂行する事業会社

国内外への情報発信に優位な立地を活かし,新たな価値を創造・発信する未来志向のまちづくりを推進しており,昨年9月に本格稼働を迎え,来年の全面開業時には延床面積が約13万m2になる。2020年度国土交通省スマートシティモデル事業「先行モデルプロジェクト」に選定されている。

HICityでは,現実空間を仮想空間にモデル化するデジタルツインをエリアレベルで実現している。使用するのは当社開発の「3D K-Field」。BIMを活用したデータの統合・可視化・分析が可能な空間情報データ連携基盤を構築するとともに,先端的技術の協調領域として活用する。各施設や自律走行バスの混雑状況ならびに施設管理スタッフやサービスロボットの稼働状況を可視化し,また収集したビッグデータをAIで解析することで合理的な施設運営を図っている。

HICityの目標は地域課題の解決にある。異業種を含めて色々な企業や大学などと協働し,HICityを先端的技術の実証フィールドとして外部にも広く提供することで,多種多様な産業の交流機会を創出していく。そして,大田区が抱える多様な課題を解決するサービスを実装し,持続可能な都市を目指す。

図版:空間情報データ連携基盤の活用イメージ

空間情報データ連携基盤の活用イメージ

図版:自動運転バスとの連携状況

自動運転バスとの連携状況

図版:実証実験の様子

実証実験の様子

改ページ

鹿追町地域スマートソサエティ構想

地方における自治体と連携した取組みも始まっている。昨年10月,当社は北海道河東郡鹿追町との連携協定である「地域スマートソサエティ構想」に調印し,鹿追町における地域スマートソサエティ構想に着手した。

本構想は,バイオマス資源(家畜ふん尿)から生産されるバイオガスによるエネルギー活用を起点に,地元エネルギー企業と連携した自営線ネットワークの構築や,IoTを活用した公共施設運営,地域BCP対策などの目標に向けた公民連携による地域の活性化,住民サービスの向上を目指すもの。鹿追町に適したエネルギー,IoT,社会インフラ,産業振興など,さまざまな要素を取り込んだスマートソサエティに,デジタルも駆使しながらその実現を目指す。

図版:バイオガスプラントなどの再生エネルギーを起点とした鹿追町地域スマートソサエティ概念図

バイオガスプラントなどの再生エネルギーを起点とした
鹿追町地域スマートソサエティ概念図

改ページ
Message

多様な専門性・データの
交差で創る新たな価値

写真

デジタル推進室 室長
真下英邦

今グローバルで進んでいるデジタル社会への大きな時代変化を踏まえると,当社がお客様に提供する人が活動する「場」は,リアルなモノからリアル×デジタルな複合的な空間に進化する必要があります。そして,多様な人が安心して生活・活躍する場であり続けるためには,時代に合わせてアップグレードすることが肝要です。

また,当社が創業以来培ってきた建設のノウハウや知識を,リアルな人に依存する状態から,時空間を越えて継承できるデジタルナレッジへと昇華させることが大切です。

当社グループが新たな時代の社会・お客様の課題・ニーズにお応えするためには,スマートな場を,スマートに創り,お客様とともにスマートにアップグレードさせ続けるデジタルゼネコンとしての力を獲得・強化していくことが重要です。デジタル推進室はそのための戦略を描き,社内外の人を繋ぎ多様な専門性やデータの交差で新たな価値を生む当社DXの加速を目指していきます。

ContentsSeptember 2021

ホーム > KAJIMAダイジェスト > September 2021:特集 鹿島DX > デジタルとリアルが融合した多様な人が活躍する世界

ページの先頭へ