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A4CSEL®
(クワッドアクセル)

建設機械の自動運転を核とした自動化施工システム

建設作業の多くは人の手に頼ってきましたが、ここ数年、熟練技能者不足と高齢化だけでなく建設業就業者全体の大幅な減少傾向が続いています。また、年々減少しているものの労働災害件数の全産業における発生率は依然高い状態にあります。

これらの課題・問題の解決には生産性と安全性を飛躍的に向上させる施工システムが必要と考え、鹿島は、作業指示を送ることで、自動化された建設機械が自律・自動運転を行い、必要最小限の人員で多数の機械を同時に稼働させることをコンセプトとした、次世代の建設生産システムを実現しました。

A4CSEL(Automated / Autonomous / Advanced / Accelerated Construction system for Safety , Efficiency , and Liability)は、従来のリモコン等による建設機械の遠隔操作とは異なり、人間が複数の自動化建設機械に作業計画を送信することにより、無人で自動運転を行うものです。

第9回ロボット大賞 優秀賞
国土技術開発賞二〇周年記念大賞
平成30年度日本建設機械施工大賞 大賞部門最優秀賞
第19回国土技術開発賞 最優秀賞

平成28年度土木学会賞 技術開発賞
第46回日本産業技術大賞 文部科学大臣賞
特許登録済

図版:A4CSELのダム堤体での施工イメージ

A4CSELのダム堤体での施工イメージ

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キーワード
自動化、振動ローラ、ブルドーザ、ダンプトラック、ダム工事、生産性、効率化

適用実績

図版:成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

場所:秋田県東成瀬村

工期:2018年5月~2026年12月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:台形CSGダム 
堤高114.5m 堤頂長755.0m 堤体積485万m3

図版:小石原川ダム本体建設工事

小石原川ダム本体建設工事

場所:福岡県朝倉市・東峰村

竣工年:2021年3月

発注者:独立行政法人水資源機構

規模:中央コア型ロックフィルダム 
堤高139m 堤頂長約550m 堤体積約830万m3

図版:大分川ダム建設(一期・二期)工事

大分川ダム建設(一期・二期)工事

場所:大分県大分市

竣工年:2019年11月

発注者:国土交通省九州地方整備局

規模:中央コア型ロックフィルダム 
堤高91.6m 堤頂長496.2m 堤体積378.1万m3

図版:五ケ山ダム堤体建設工事

五ケ山ダム堤体建設工事

場所:福岡県那珂川市

竣工年:2018年3月

発注者:福岡県

規模:重力式コンクリートダム 
堤高102.5m 堤頂長556m 堤体積93.5万m3

学会論文発表実績

  • 「振動ローラの自動転圧システムの開発 ― RCD ダム施工での試験適用」,土木学会,第70回年次学術講演会,2015年
  • 「ブルドーザの自動撒出しシステムの開発」,土木学会,第70回年次学術講演会,2015年
  • “Next Generation Construction Production System Focusing on Automation Technologies of Construction Machines”,The 7th Civil Engineering Conference in the Asian Region(第7回アジア土木技術国際会議) Proceedings,2016年
  • 「建設機械の走行制御と目標経路生成について」,第16回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,2015年

湿式吹付けによる締固め工法
「SHOTCLAY®工法」

基礎岩盤に優しいフィルダム着岩材の施工方法

従来、フィルダム基礎岩盤の着岩処理は、人力による着岩材スラリーの塗布、及び着岩材団子の人力締固めによって施工されていました。

鹿島が開発したSHOTCLAY工法は、着岩材を乾燥や加水することなく、そのまま吹付けることが可能な湿式吹付けによる締固め土の構築工法です。本工法は、従来の現場締固め工法よりも周辺岩盤への影響が小さく、凹凸が激しい場所でも均質な締固め土を構築できるという特長を有しています。また、本工法の場合、重機を使用せずにノズルマンとホースだけで施工可能であるため、フィルダムの河床部のみならず、アバット部の着岩材まで同じ機械で施工できます。

平成29年度ダム工学会賞 技術賞
特許登録済

図版:アバット部への着岩材吹付け施工状況

アバット部への着岩材吹付け施工状況

キーワード
フィルダム、着岩材、コンタクトクレイ、吹付け工法

SHOTCLAY工法の機械構成と施工方法

SHOTCLAY工法は、着岩材供給機、ローター式吹付け機、コンプレッサで構成されます。実績では、高低差±20m程度、ホース長100m程度まで施工可能であり、事前に河床部に材料を搬入するための走路や重機足場を確保する必要はありません。

また、乾燥させた着岩材にノズル付近で加水して吹付ける乾式吹付けではなく、着岩材を湿潤状態のままで吹付ける湿式吹付け工法であるため、材料調整の手間も不要です。基礎岩盤の凹部に対して吹付けられた着岩材は、凹部の隅まで密実で均質な締固め土となります。

図版:SHOTCLAY工法吹付け機材

SHOTCLAY工法吹付け機材

図版:SHOTCLAY工法による河床部着岩材施工状況

SHOTCLAY工法による河床部着岩材施工状況

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特長・メリットココがポイント

基礎岩盤への影響を低減

模擬基礎岩盤に埋め込んだひずみゲージによってエアタンパとSHOTCLAY工法による着岩材施工が基礎岩盤に与える影響を比較しました。

  • 基礎岩盤に与えるひずみ量はエアタンパの1/20程度
  • 施工速度はエアタンパと同等

図版:SHOTCLAY工法とエアタンパによる基礎岩盤への影響比較

SHOTCLAY工法とエアタンパによる基礎岩盤への影響比較

従来工法と同等の施工品質

SHOTCLAY工法によって構築した着岩材に対して、密度計測、コーン貫入試験、透水試験を行いました。

  • 締固め施工による密度は従来工法と同等(D値90%以上)
  • コーン指数は470kPaであり、同材料をランマで施工した場合のコーン指数410kPaよりも大きい
  • 透水係数は5.91×10-6cm/sで1×10-5cm/s以下という現場の品質管理規準を満足

図版:SHOTCLAY工法による締固め性能

SHOTCLAY工法による締固め性能

優れた密実性を確認

SHOTCLAY工法によって構築した着岩材に対して、密実さ、凹部の隅角部への充填状況を観察しました。

  • 空隙なく密実である
  • 凹部の隅まで隙間なく着岩材が充填されている

図版:SHOTCLAY工法によって構築した着岩材の観察

SHOTCLAY工法によって構築した着岩材の観察

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適用実績

図版:小石原川ダム本体建設工事

小石原川ダム本体建設工事

場所:福岡県朝倉市・東峰村

竣工年:2020年3月

発注者:水資源機構

規模:中央コア型ロックフィルダム 
堤高139m 堤頂長558m 堤体積870万m3

図版:大分川ダム建設(一期・二期)工事

大分川ダム建設(一期・二期)工事

場所:大分県大分市

竣工年:2019年11月

発注者:国土交通省九州地方整備局

規模:中央コア型ロックフィルダム 
堤高91.6m 堤頂長400m 堤体積387万m3

図版:殿ダム

殿ダム

場所:鳥取県鳥取市

竣工年:2012年1月

発注者:国土交通省 中国地方整備局

規模:堤高75m 堤頂長294m 堤体積211万m3
施工数量:1,271m2(188m3

学会論文発表実績

  • 「吹付け工法によるベントナイト系人工バリアの構築」,第60回土木学会年次学術講演会講演概要集,2005年
  • 「吹付け工法による側部緩衝材の施工確認試験例 ─地下空洞型処分施設性能確証試験─」,第65回土木学会年次学術講演会講演概要集,2010年
  • "DESIGN OPTIONS FOR HLW REPOSITORY OPERATION TECHNOLOGY, (IV) SHOTCLAY TECHNIQUE FOR SEAMLESS CONSTRUCTION OF EBS",Proceedings of the 13th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management ICEM,2010年,機械学会動力エネルギー部門(優秀講演者賞)

自動スライド型枠

クレーンを使用せずに型枠のスライド作業を全自動化

「自動スライド型枠」は、ダム等の大型構造物において、油圧ジャッキによるセルフクライミング装置と、電動モータを動力とした鋼製型枠の自動脱枠・水平移動機構を組み合わせ、一連の型枠スライド作業をクレーン作業なしで全自動化するものです。これまで、幅60m(ダム堤体4BL分(1BL:幅15m))の型枠を自動で一括スライドさせることに成功し、従来工法に比べて、作業時間を約半分に短縮することができ、作業人員も大幅に削減できました。

自動スライド型枠では、全ての電動モータ及び油圧ジャッキを同時に制御することにより、幅60mの鋼製型枠が一体となって作動し、型枠スライドに必要な一連の作業(脱枠、水平移動、スライド、セット)を全て自動で行うことができます。

特許登録済

図版:幅60mの型枠を自動で一括スライド

幅60mの型枠を自動で一括スライド

キーワード
型枠、スライド、自動化、生産性向上、工程短縮
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特長・メリットココがポイント

作業の省力化・平易化が可能

電動モータを用いて型枠の脱枠と水平移動を行い、油圧ジャッキによるセルフクライミング装置で鋼製型枠をスライドさせるもので、1人の作業員がタブレット端末を操作することで行えます。

また、とび工(型枠大工)、クレーンオペレータ等の特殊技能労働者でなくても作業を行うことができ、誰でも同じ精度で型枠スライド作業が可能となり、作業の省力化・平易化により、生産性が向上します。

図版:作業の省力化・平易化が可能

作業の省力化・平易化が可能

作業人員の削減及び作業時間の短縮を実現

従来のクレーンによる型枠スライド作業に比べて、作業時間を約半分に短縮することができ、作業人員も大幅に削減することができます。

図版:従来工法と自動スライド型枠の比較(幅60m当り)

従来工法と自動スライド型枠の比較(幅60m当り)

並行作業が可能

これまで打設面に配置していたクレーンが不要となるため、スライド作業と並行して、打設面清掃・打設準備等の別の作業を行うことが可能となります。

また、コンクリートなどの材料運搬をするダンプトラックとクレーン作業との錯綜が減り、運搬効率の向上による打設速度の向上が期待でき、生産性及び安全性が向上します。

図版:並行作業が可能

並行作業が可能

高所でも安全に作業が可能

型枠作業のための足場(プラットフォーム)が躯体に常に固定されており、高所でも安全に作業することができます。

また、従来工法の3m幅でのスライド作業に比べ、60m幅を一括スライドするため、端部作業の発生頻度が劇的に減り、安全性が向上します。

図版:高所でも安全に作業が可能

高所でも安全に作業が可能

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適用実績

図版:成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

場所:秋田県東成瀬村

工期:2018年5月~2026年12月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:台形CSGダム 
堤高114.5m 堤頂長755.0m 堤体積485万m3

図版:幾春別川総合開発事業の内 新桂沢ダム堤体建設(第1期・第2期・第3期)工事

幾春別川総合開発事業の内 
新桂沢ダム堤体建設
(第1期・第2期・第3期)工事

場所:北海道三笠市

竣工年:2024年3月

発注者:国土交通省北海道開発局

規模:堤高75.5m(11.9mかさ上げ) 
堤頂長397.0m 
堤体積59.5万m3(かさ上げ分24.5万m3

図版:小石原川ダム本体建設工事

小石原川ダム本体建設工事

場所:福岡県朝倉市・東峰村

竣工年:2021年3月

発注者:水資源機構

規模:中央コア型ロックフィルダム
堤高139m 堤頂長558m 堤体積870万m3

図版:大分川ダム建設(一期・二期)工事

大分川ダム建設(一期・二期)工事

場所:大分県大分市

竣工年:2019年11月

発注者:国土交通省九州地方整備局

規模:中央コア型ロックフィルダム
堤高91.6m 堤頂長400m 堤体積387万m3

学会論文発表実績

  • 「コンクリートダム下流面への自動スライド型枠の適用実績」,土木学会,第74回年次学術講演会,Ⅵ-716,2019年

置き型枠自動スライドシステム

台形CSGダムにおける保護コンクリート構築の合理化

施工の合理化が求められる台形CSGダムの施工においては、汎用重機により大量高速施工する内部のCSG打設に対し、外部の上下流面保護コンクリート構築が高速化のネックとなっていました。このため成瀬ダムでは上下流面の保護コンクリートを置き型枠による階段形状とする設計が採用されました。

本システムは、上下流面の階段形状を横移動可能なリフターを用いて、置き型枠を下段から打設面へ自動で引き上げて設置する「置き型枠自動スライドリフタ」及び、同機構を用いて保護コンクリート打設時に型枠の滑動・転倒を防ぐ「おもり台車」、止水板を引き上げる「止水板台車」から構成されています。

本システムにより、堤体打設面上にクレーンを設置することなく、CSGダムの高速施工を実現するとともに、自動化により安全性も向上します。

令和3年度ダム工学会 技術開発賞
令和3年度建設施工と建設機械シンポジウム 優秀論文賞
令和4年度日本建設機械施工大賞 最優秀賞
特許登録済

図版:置き型枠自動スライドシステム

置き型枠自動スライドシステム

キーワード
台形CSGダム、保護コンクリート、置き型枠、高速化、自動化、省力化
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本システムの概要

置き型枠をガイドレールとして使用

本システムは置き型枠として用いるH形鋼をガイドレールとして階段状の上下流面を横移動する機構を備えた台車を基本構造としています。台車は下段車輪を保護コンクリート水平面に載せ、上段車輪はH型鋼のフランジをガイドレールとし走行します。直線だけでなく曲線形状にも追従して走行が可能です。

置き型枠スライド作業を自動化

「置き型枠自動スライドリフタ」はCSGのリフト高さ0.75mに合わせてH形鋼(H400)を2段重ねた置き型枠(H=0.8m、L=5m)を、既打設の最下段から吊り上げて設置するものです。設置完了後、次の箇所に5m横移動し同様の作業を行います。これら一連の作業をリモコンからの指示により自動的に行うことができます。

図版:置き型枠自動スライド手順

置き型枠自動スライド手順

特長・メリットココがポイント

堤体打設面上のクレーンが不要

  • 本システムを採用することにより、堤体打設面上に置き型枠揚重用のクレーンを配置することなく脱型~設置までの一連の作業を実施することができ、CSG打設作業との干渉を無くすことが可能となります。

図版:堤体打設面上の作業状況比較

堤体打設面上の作業状況比較

自動化による高速化・省人化及び安全性向上

  • 置き型枠の脱型~設置、横移動までの一連の作業を自動で行うことで、クレーンを使用した従来工法では1ブロック(15m)当たり150分かかっていた作業を30分に縮減できます。
  • リモコンから作業指示を本システムに与えるだけで一連の作業を行うことが可能となり、クレーンのオペレータを含め5名で行っていた作業を1名にまで削減できます。
  • 作業員が最下段の置き型枠で行っていた玉掛け作業を、自動玉掛け機能により自動で行えるため、作業員が堤体外に出て行う高所作業が無くなります。
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適用実績

図版:成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

成瀬ダム堤体打設工事(第1期・第2期)

場所:秋田県東成瀬村

工期:2018年5月~2026年12月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:台形CSGダム 堤体積485万m3

学会論文発表実績

  • 「台形CSGダムにおける保護コンクリート構築の合理化システム」,土木学会,第77回年次学術講演会,2022年

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