車両運行管理システム
「スマートG-Safe®」
工事用車両のリアルタイム運行管理と出来高管理の
自動化・運行計画の最適化を実現
車両運行管理システム「スマートG-Safe」は、ダンプトラック等の工事用車両にスマートフォンもしくはタブレットPCを設置し、走行中の車両の安全管理・運行管理をリアルタイムに行うシステムです。
速度監視・警告、走行中の注意喚起といった安全管理に加え、車両の位置・到着時間の把握や、運行管理者と運転手の双方向通信などが可能なシステムです。加えて、狭隘な道路におけるすれ違い管理、出来高管理の自動化、運行実績データの見える化・分析による運行計画の最適化など、現場のニーズに合わせた機能向上と応用により、工事用車両の安全な運行と作業効率の向上を実現します。
特許登録済
NETIS KT-230198-A
- キーワード
- 車両、運行管理、安全管理、出来高管理、GNSS、GPS、見える化、最適化
基本機能
速度監視・注意喚起
GNSSによってリアルタイムに速度を計測・監視し、区間ごとに予め設定した制限速度を超過すると運転手へ音声警告するとともに現場管理者にメールが自動送信されます。また、システムの地図上で設定した走行注意箇所を車両が通過すると、音声メッセージで注意喚起を行うことができます。音声メッセージには主に以下の種類のものが標準として用意されているほか、オリジナルに作成する事もできます。
- 速度制限指示(法定速度以外での設定も可能)
- 走行注意箇所(通学路指定等の注意喚起)
- 通行ルート案内(現場への指定ルートを指示)
リアルタイムでの車両位置の確認と運転手との双方向通信による緊密な連携
工事車両の位置をGNSSにより把握し、車両の現在位置を現場事務所の運行管理画面および車載端末の地図上にリアルタイムに表示できます。また、運行管理画面から送信した任意のメッセージを車載端末で音声によって運転手に伝えることができるとともに、運転手は積込開始・完了、輸送開始・完了といった作業情報入力や緊急連絡を画面タッチで行うことができます。
運行管理者と運転手との双方向通信を可能とすることで、運行状況や道路・交通状況をいち早く把握し、作業の効率化と安全性向上を実現します。
特長・メリットココがポイント
狭隘区間で対向する工事車両のすれ違いを管理
「スマートG-Safe」では、運行管理画面と車載端末の両方に全車両の位置情報を更新間隔5秒で表示しています。対向する車両同士の位置をタイムラグ無く把握できるため、安全なすれ違い管理が可能となっています。積載物の有無判別(実車・空車)と仮想ゲート位置の工夫により、実車優先の管理ができます。
積載物の管理と出来高管理を実現
何を、いつ、どこから、どこへ、どのくらい運搬したかを自動記録し、集計できます。集計されたデータから出来高を迅速かつ確実に管理することが可能となり、運行管理日報も自動作成できます。
他システムとの連携による管理の効率化
自社開発であるメリットを活かし、他の開発システムとの連携による機能拡張を積極的に進めています。
①「生コン打設管理システム」との連携
従来手入力していた生コン工場からの出荷、現場到着、打設開始、打設完了等の時刻情報を、「スマートG-Safe」の機能を用いて自動記録することを実現し、管理作業の大幅な省力化を図っています。
②トンネル坑内外のシームレス位置検知の実現
Wi-Fiとビーコン(発信機)によるトンネル坑内の位置検知システムと「スマートG-Safe」を連携させることで、車載端末1台で坑内外の測位方式や画面表示の切替えを自動で行い、各システムの操作や管理を坑内外の境界なくシームレスに行えるようにしています。
③道路交通情報VICSとの連携による所要時間予測精度向上
渋滞などの道路交通情報を提供するVICSと連携し、所要時間予測の精度向上に加え、走行可能な複数ルートの所要時間を走行中に随時比較し、最適なルートを選択することが可能です。
適用実績
横浜環状南線公田笠間トンネル工事
場所:神奈川県横浜市
工期:2016年4月~2024年3月
発注者:東日本高速道路 関東支社
規模:泥土圧式シールド工 トンネル内径14.19m 施工延長3,448m およびU型擁壁
平成29年度中間貯蔵(大熊1工区)
土壌貯蔵施設等工事
場所:福島県双葉郡
工期:2017年5月~2021年3月
発注者:環境省
規模:受入・分別施設と土壌貯蔵施設の建設、除去土壌等の輸送・分別処理・貯蔵処理対象物量1,194,900t
大分川ダム建設(一期・二期)工事
場所:大分県大分市
竣工年:2019年11月
発注者:国土交通省九州地方整備局
規模:中央コア型ロックフィルダム 堤高91.6m 堤頂長400m 堤体積387万m3
災害廃棄物処理事業(石巻ブロック)
場所:宮城県石巻市
工期:2011年9月~2014年9月
発注者:宮城県
規模:処理量 災害廃棄物232万t 津波堆積物71万t 合計303万t 対象区域(石巻市、東松島市、女川町)
学会論文発表実績
- 「工事車両運行実績データの見える化・分析・活用方法」,土木学会,第74回年次学術講演会,2019年9月
- 「車両運行管理システムによる運転支援と車両・輸送物のリアルタイム管理」,土木学会,第72回年次学術講演会,2017年9月
- 「車両運行管理システムによるトレーサビリティ確保とすれ違い管理の実現」,土木学会,第71回年次学術講演会,2016年9月
- 「車両運行管理システムによる輸送・出来高管理の実現と安全性向上」,平成27年度建設施工と建設機械シンポジウム論文集・梗概集,2015年12月
- 「タブレット型GPS端末を利用した車両運行管理システム『スマートG-SAFE』の開発と適用」,土木学会,第68回年次学術講演会,2013年9月