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水域浄化
水環境を保全・再生・創造します
水の停滞しやすい修景池や湖沼・池などの閉鎖的水域では、栄養塩類の増加で発生する大量の藻類などによる景観悪化や悪臭発生などの水質悪化が大きな問題となっています。
鹿島はこれらの修景池や閉鎖性水域の水質悪化原因を的確にとらえ、最適な水域浄化システムを提案します。
親水空間が活かされた美術館とホテル(ベネッセハウス)
ロッチアーロ®
ロッチアーロ(高速凝集生物ろ過システム)は修景池やため池などの水質浄化システムで、アオコなどの藻類、有機物、懸濁物質、窒素、リンなどを複合的な機能により高速で効率よく除去し、清浄な水に浄化します。
各装置の働き
- ろ過循環ポンプ
- :水域から取水し、高速凝集生物ろ過器に水を送水。
- ヘアキャッチャー
- :水中の異物(落ち葉・ごみ等)を捕捉。
- 凝集剤注入器
- :少量のマグネタイト凝集剤(還元鉄が主成分)を間欠的に注入。
- 高速凝集生物ろ過器
- :複合的な浄化効果(ろ過・凝集沈殿・接触酸化)により水を浄化。
- 銀イオンガラスディスペンサー
- :銀イオン(Ag+)、塩素イオン(Cl-)の働きで、藻類、細菌を抑制。
- 磁気式水処理器
- :振動磁場により、殺藻効果を高め、藻類発生を抑制。
特長
- ろ過速度を大きく設定できるので、施設がコンパクトになります。
- 負荷変動のショックに強いため、運転管理が容易です。
- 低負荷~高負荷の幅広い運転に対応可能なシステムです。
- 浮遊性の藻類だけでなく、付着性の藻類の発生も抑制します。
- 設置条件、目標水質による最適システムを構築可能です。
適用対象水域
- 人工修景池、ため池、自然池、沼、ビオトープ池、小規模河川、農業排水路
浄化効果の項目
- 透視度の向上(有機物、懸濁物質の除去)
- 富栄養化・藻類発生の抑制(窒素、リンの除去)
- 臭気の抑制(有機物、藻類の抑制)
- 安全性の確保(細菌類の殺菌)
機能
- ろ過機能によるSSの除去
- 凝集沈殿によるSS、T-Pの除去
- 接触酸化によるBOD、CODの除去
- 硝化脱窒によるT-Nの除去
高速凝集生物ろ過器の構造図
マイクロバブル
マイクロバブルは一般的に50μm以下の超微細気泡のことを言います。
閉鎖性水域等に大量発生しやすいアオコに対して、少ない送気量により底層の貧酸素環境を改善し、水温成層を解消して豊かな生物相をもつ水域に甦らせる『水質改善』や、微細気泡が壊れる時のキャビテーション(衝撃波)のエネルギーにより汚れを効率的に剥離させる『洗浄』などへの利用が可能です。
用途
兵庫県淡路市河内ダム
兵庫県姫路市 名古山霊苑楠谷池
特長
- 浮力が極端に小さい。
- 単位容積当たりの接触面積が大きい。
- マイナスに帯電しているため、気泡どうし合体しない。
- フリーラジカル(不対電子をもつ原子や分子あるいはイオン)を生成する。
リングレース®接触ばっ気法
ひも状接触材のリングレースをろ材とする接触ばっ気方式は、リングレースに微生物を付着させ、その微生物により河川中の有機物を炭酸ガスと水に分解し浄化するため、汚泥発生量が少なく維持管理も容易であり、河川や水路の水質改善を図ることができます。
リングレース構造図
東生駒川浄化施設とリングレース
東生駒川浄化施設の概要
水域環境シミュレーションシステム
水域環境シミュレーションシステムは、鹿島とオランダ・デルタレス研究所(旧デルフト水理研究所)と共同で開発した、高度な水理解析システムと生化学反応を考慮した水質解析システムとを組み合わせたシミュレーションシステムです。このシステムにより、青潮・赤潮の対策工を事前に評価選択することなどが可能となりました。
河川・湖沼・海域など広域の水環境保全のための水量・水質を予測し、解析するシミュレーション技術において独自のノウハウを保有しています。
システムの構成
下記のようなサブシステムから構成されています。
- 流動解析システム
様々な要因(潮汐、風、密度差等)を考慮した水流や水温、塩分の解析 - 水質解析システム
対象水域の特性に合わせたプランクトンや栄養塩の分布の解析 - 地形解析システム
生物の生息地として重要な、砂泥の流れおよび波の作用による移動と地形変化の解析 - 波浪解析
風による発達、地形による波の変形などを考慮した波浪の解析
システムの構成
水質解析
流動解析
流動解析の可視化