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再生可能エネルギー

次世代エネルギーとして注目される水素。
当社の得意分野とするメタン発酵とバイオガス利用技術によってCO2フリー水素を供給する
取組みを紹介する。

スマートソサエティへ

わが国屈指の酪農地帯として知られる北海道十勝地方。その北西部,鹿追町で展開されている「しかおい水素ファーム®」は,今年,7年間の実証事業最終年度を迎えている。

環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に採択されたこの事業は,水の電気分解由来ではなく,有機性廃棄物である家畜のふん尿から水素をつくる世界初の取組みとして,当社を含む4社の共同事業が2015年にスタートした。

※当社のほかに,代表事業者であるエア・ウォーターが水素製造プロセスを統括。日鉄パイプライン&エンジニアリングは水素ステーションのエンジニアリングを担当。日本エアープロダクツはメタン精製設備を担当している

しかおい水素ファームが立地する鹿追町環境保全センター 中鹿追施設

しかおい水素ファーム®が立地する鹿追町環境保全センター 中鹿追施設

「乳牛1頭のふん尿でFCV(燃料電池自動車)を約1万km走らせる」をキャッチフレーズとし,当社が長年培ったメタン発酵とバイオガスの利用技術に関わる経験をもとに,CO2フリーの水素をつくる,運ぶ,使う,というサプライチェーンを構築,技術的検証を行ってきた。現在は簡易型水素充填車の導入,水素吸蔵合金による水素の貯蔵など,水素運搬および貯蔵の効率化を進め,事業モデルをさらに高度化する検討を行っている。

昨年10月,当社は鹿追町との連携協定である「地域スマートソサエティ構想」に調印。地元エネルギー企業と連携した自営線ネットワークの構築や,IoTを活用した公共施設運営,地域BCP対策などの目標に公民連携で取り組む体制を築いた。当社の支援を基に,鹿追町は2050年までにCO2排出ゼロを目標とする考えだ。

当社は,長年携わってきたバイオガスプラントの設計・施工・維持管理に関する蓄積や,このしかおい水素ファームなどの知見を活用し,地域循環共生推進の観点に鑑み,スマートソサエティの展開を目指す。

水素の地産地消を目指す

水素の地産地消を目指す

図版:水素ステーション

水素ステーション

図版:簡易型水素充填車と水素吸蔵合金+燃料電池による発電設備(帯広市内に設置)

簡易型水素充填車と水素吸蔵合金+燃料電池による発電設備
(帯広市内に設置)

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