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低炭素コンクリート

当社のCO2削減目標の達成に向けて,カーボン・オフセットの考えを組み合わせることも重要なポイントだ。
当社開発の低炭素コンクリートについてはカーボンクレジットの取得が視野に入ってきた。

多くの現場で採用進む

建物や構造物の建設時に発生するCO2排出量のうち,建設資材の中ではコンクリート製造時に発生するCO2が最も大きな割合を占める。コンクリートの材料であるセメントの製法に由来するものだ(詳細)。

そのセメントの一部を,産業副産物である高炉スラグに置き換えて,CO2排出量を低減する低炭素コンクリートがある。施工性や経済性に優れるこの高炉セメントコンクリートを,当社は2014年の開発以降,土木・建築の多くの現場で採用してきた。

高炉スラグのセメントへの置換率や使用場所に応じ,地下のマスコンクリートに適した「エコクリート®ECM」,CFT造部材の充填用に適した「エコクリート®KKC」,地上躯体に適した「エコクリート®BLS」の3種類のラインナップがある。

高炉セメントコンクリートの種類

高炉セメントコンクリートの種類

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図版:使用場所のイメージ

使用場所のイメージ

J-クレジット取得へ

こうしたコンクリートの採用などによる事業活動において,CO2など温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証するJ-クレジット制度が2013年に開始されている。獲得したクレジットはカーボン・オフセットとなることから,CO2削減目標の鍵を握る。

図版:J-クレジット認証の仕組み概念図。

J-クレジット認証の仕組み概念図。クレジットの創出者となって獲得したクレジットを排出量とオフセットできる

現在,建設が進む(仮称)南長崎単身寮新築工事(東京都豊島区)では地下躯体でエコクリートECMを約250m3,地上躯体でエコクリートBLSを約2,000m3採用している。そのセメント削減分に相当する排出CO2削減量はJ-クレジット制度に登録中で,竣工後にクレジットを取得する予定だ。

※カーボン・オフセットに用いる温室効果ガスの排出削減量・吸収量を,信頼性のあるものとするため,国が認証する制度

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エコクリートシリーズを使用した(仮称)南長崎単身寮(北面)完成予想パース

エコクリートシリーズを使用した(仮称)南長崎単身寮(北面)完成予想パース

(仮称)鹿島ドーミー南長崎敷地内
南長崎単身寮新築工事

場所:
東京都豊島区
発注者:
当社開発事業本部
設計:
当社建築設計本部
用途:
共同住宅,事務所,自動車車庫
規模:
RC造 5F 延べ4,178m2
工期:
2020年10月~2022年2月
(東京建築支店施工)

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