建設業界で急速に普及が進むBIM(ビム)。
当社では,昨年末に建築管理本部内にBIM推進グループを立ち上げ,
取組み強化を図っている。
BIM(Building Information Modeling)とは,建物の3次元デジタルモデルに,材料,仕様,価格といった諸情報を管理するデータベース機能を持たせたシステムのこと。建築の計画・設計・施工・維持管理といった各フェーズでの情報を一元化し,目的に応じて様々な加工を施すことができる。建築生産の流れを変える画期的なツールとして,いま世界的規模で注目を集めている。業界各社では,BIMの特性を生かした様々な活用方法を展開しており,当社でもBIMを導入したプロジェクトが急増中だ。2014年度は前年度の2倍超となる約140件の工事に導入される見込みとなっている。
話題のBIMについて,月報では4月号で特集を企画。“鹿島版BIM”の特徴である,施工部門の支援ツールとしての活用方法を,最前線の現場を事例に大解剖した。3Dのデジタルモックアップや総合図,施工図,施工シミュレーションなど多彩なバリエーションで,施工の精度向上,合理化が図られていることをレポートした。また,一歩先を行く当社のBIMを推進するためのインフラ整備にも言及。昨年6月に立ち上げたクラウドサーバー「Global BIM®」は,世界初の画期的なシステムとして注目を集めたことを紹介している。容量が大きく機密性が高いBIMデータを,複数企業にまたがるプロジェクト関係者間で,場所や時間に制限されることなく共有・管理することを可能にした。
11月号の「THE SITE」では,施工プロセスの検討にBIMを活用した「静岡県草薙総合運動場体育館新築工事」をルポした。鉄骨造の3次元曲面の大屋根を県産スギの集成材柱で支えるという超難工事における様々な課題を,BIMを駆使してクリアした。一方,「K works」や「K board」では,BIMを導入した大型プロジェクトの竣工を伝えている。
「静岡県草薙総合運動場体育館新築工事」(上)と施工検討図(4月号「特集」・11月号「THE SITE」掲載)
9月に竣工した「日本大学病院」。病室のインテリア検討にBIMを活用(4月号「特集」掲載)
施工時にBIMを活用した大型プロジェクトが続々と竣工を迎えている。「イケア仙台」(2014年5月竣工)
「札幌三井JPビルディング」(2014年8月竣工) 写真:新津写真