東海旅客鉄道が2027年に品川―名古屋間(約285.6km)の先行開業を目指す中央新幹線。完成すれば品川―名古屋間を約40分で結び,これまでの移動手段の概念を変える新たな交通インフラが誕生する。
11月1日,当社JVが施工を担当する「中央新幹線 南アルプストンネル新設(長野工区)」(長野県大鹿村)の安全祈願・起工式が行われた。品川―名古屋間の工事はすでに同トンネルの山梨工区や品川駅(北工区・南工区)などで本格的な土木工事に着手しており,長野県内では初めてとなる。南アルプストンネルは山梨・静岡・長野の3県にまたがる延長約25.0kmの山岳トンネル。そのなかでも地表からの深さを示す「土かぶり」が最大1,400mに達する工区であり,難易度の高い工事に挑む。
交通インフラの整備・拡大は首都圏でも行われている。本誌7月号では,「横浜環状北線鉄道交差部新設工事」で鉄道営業線10線の上空で行われた橋梁架設工事をフィーチャーし,その軌跡を綴った。既存の設備が飽和するなかで,人々の生活の利便性の向上を求めるために今後どのような交通インフラ整備が行われるか注目だ。