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KAJIMA YEAR BOOK 2017 文化を紡ぐ

9年間にわたって修復が進められてきた国宝〈瑞厳寺〉の“平成の大修理”が11月に完了した。宮城県松島の瑞厳寺は,奥州藤原氏の精神を受け継ぎ,伊達政宗が心血を注いで1609年に建立。桃山文化を伝える,東北地方では禅宗随一の寺院である。

写真:修理を終えた本堂

修理を終えた本堂。瑞厳寺の正式名称は「松島青龍山瑞厳円福禅寺」

写真:国宝本堂外観

国宝本堂外観。修復を終え,創建時の姿を再び現した

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約100年ぶりとなる大修理では,本堂を含め7棟の建造物の修復が行われた。本誌3月号特集では,「歴史的建造物を後世に伝える使命」を語る佐藤啓所長と,「現代建築では使われない用語もあり,専門書で学んだ」という菅家道郎副所長がともに指揮をとった様子を紹介した。

写真:本堂の瓦葺きに向け膨大な量の瓦を並べる様子

本堂の瓦葺きに向け膨大な量の瓦を並べる様子。柱・梁を残して各部材を解体し,基礎工事と腐朽した柱を修理した

写真:新しい部材とつなぐ「根継ぎ」のために目違の加工を施している様子

本堂の腐朽した柱の下部を取り去り,新しい部材とつなぐ「根継ぎ」のために目違の加工を施している様子

文化財に関わる事業は,本誌6月号で渋谷区松濤から銀座〈GINZA SIX〉に移築された〈観世能楽堂〉を,8月号では,神田神社創建1300年奉祝記念事業の一環として建設される〈神田神社(仮称)文化交流館〉を紹介した。本建物では,当社が共同開発した木材100%の純木質耐火集成材「FRウッド®を採用。最新の技術が貴重な文化財の保存や日本文化の継承を支えている。

※「FRウッド」は国立大学法人東京農工大学,国立研究開発法人森林総合研究所,有限会社ティー・イー・コンサルティングとの共同開発。

写真:〈GINZA SIX〉地下3階の観世能楽堂

〈GINZA SIX〉地下3階の観世能楽堂。総檜の舞台は,旧能楽堂の解体時に転用可能な部材を保管しておいたものを使用している

図版:〈神田神社(仮称)文化交流館〉

2018年11月完成予定の〈神田神社(仮称)文化交流館〉。吹抜け部(点線内)の柱・梁に「FRウッド」を採用。境内に新築する建物として,木材の架構が調和する。「FRウッド」は構造部材として利用でき,サイズも豊富で設計自由度が高い

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