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緊急復旧工事を終えて 現場からの声

発災から2週間,鋼矢板仮締切堤防の当社工区の施工は,無事故無災害で予定の工期どおり完了した。
昼夜体制で工事に臨み,困難な任務を全うした25人の職員。そのなかの9人を取材した。

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佐野智幸(さの ともゆき)

横浜支店[支店直轄建築工事事務所(東部)]
(仮称)横濱ゲートタワー プロジェクト建設工事事務所 
副所長
1997年入社

昼間の施工管理,作業間調整などを担当。設計より工事が先行する状態だったが,経験豊富な中堅職員と体力ある若手職員がペアを組めたことで,スムーズな施工が可能になったと思う。また,河川増水による緊急退避指示が発令された際には,すべての機材をダンプに載せ,河川敷から一斉に退避した。協力会社の方々の,会社を越えた迅速な対応には感謝しかない。日ごろから協力会社の方々との信頼関係構築の重要性を改めて実感した。

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板橋信男(いたばし のぶお)

横浜支店[支店直轄土木工事事務所]
釜利谷庄戸トンネル技術協力事務所 工事課長
2000年入社

佐野さんとともに15日朝新幹線で長野入りし,被災状況を見ながら現場へ向かう。工事前に全員で行った作戦会議は重要だった。皆が工事の流れを理解し共有できる。1日100台近くの搬入車両管理や毎日のように変更される工程には苦労した。トラブル発生や困っている人がいたら絶対に助け合う。見事に工事を完遂させた当社の底力と先輩の偉大さを改めて感じた。この工事で集結した他支店や協力会社の人たちとの出会いは一生の財産となった。

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平木涼介(ひらき りょうすけ)

北陸支店(現・本社土木設計本部
地下空間設計部 シールドグループ)
2013年入社

16日から現場に合流,昼間の施工管理全般を担当。Teamsの活用により最新の情報を入手した。工事方針の決定事項を正確に伝えることを念頭に置き指示した。最も重要なことは安全を守ること。そのためにはどんなに急いでいても手順・方法を確認,不明なことをなくす。工事当初は不安もあったが,協力会社含め各地から集まった全員が同じ目標に向かい,協力して取り組んだことで完遂できたと思う。当社の機動力・総合力の大きさを感じた。

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西岡和也(にしおか かずや)

関東支店[直轄土木工事茨城地区]
東海第二発電所新規制基準対応JVC工区工事事務所 
次長
1999年入社

夜勤工事を統括する隊長として,鋼矢板仮締切堤防の施工管理,日報作成・報告などを担当。特殊車両での搬入は夜間のみなので鋼矢板の運搬車両誘導には苦労した。特に夜間は周辺状況がわかりづらく,刻々と変わる状況を把握することが難しかった。宿舎となった長野営業所のみなさんには,食事や洗濯などの温かい心づかいに感謝。みんなが常に前を向いて仕事をすることができた。被災地の一日も早い復興をお祈りします。

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曽根川大治(そねがわ だいち)

関東支店[直轄土木工事茨城地区]
常磐共同火力勿来土木JV工事事務所
2016年入社

14日朝,現場に茨城営業所長から千曲川工事へ行ってくれとの連絡があり,その日のうちに長野市の実家へ。15日朝から現場に入り夜勤の施工管理を担当。昼夜体制のため作業員に情報が伝わるのか不安だったが,Teamsなどで情報共有することができICTツールの有効性を実感した。周囲には常に報道関係者や一般の方の視線があるという緊張感が必要だと感じた。生まれ育った地元にこんなかたちで貢献できるとは思わなかった。携われたことに感謝。

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大林信彦(おおばやし のぶひこ)

本社 機械部 技術3グループ(シールド)
課長代理
2001年入社

照明,給排水ほかの仮設備全般を担当。河川増水に伴う退避の可能性があるため,固定設備は配置しない計画で進んだ。途中増水による緊急退避指示のため資材の退避を行ったが,比較的天候には恵まれていたといえる。集まったメンバーは初めて一緒に仕事をする人たちだったが,非常にまとまりがよく,長年同じ現場で働いてきたかのようなやりやすさがあった。緊急の復旧工事では,場内・場外に限らず物流ルートの確認・確保は通常時よりも重要と感じた。

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佐々木智大(ささき ともひろ)

本社 機械部 技術3グループ(シールド)
2014年入社

15日の夕方に現地に入り,全員で施工方法を確認。16日に手配した照明がその日のうちに来たので設置し,そのまま夜間作業を担当した。そのほか排水関係の準備,ICT機器の設置,敷鉄板の運搬・設置など仮設備全般のほか,工程に合わせた資機材・設備の調達・設置も行った。職員は,さまざまな支店から集められて始まった工事だったが,全員で団結して前向きに取り組む姿勢があり,それに引っ張られるように積極的に業務を遂行できた。

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中川純一(なかがわ じゅんいち)

北陸支店 土木部 工事工務グループ
次長
1994年入社

20日に激励のつもりで現場に。そのまま工務を担当。情報インフラ構築,数量算出を行う。BIM/CIMマネージャーの経験を活かし,ICT活用で短期工事に対応した。設計しながらの施工のため,施工計画書や手順書など同時並行で作成。現場状況によって随時変更される計画を確認しながら施工しないと手戻りになる可能性がある。思った以上に現場は過酷で,とくに粉塵には苦労した。発注者や地元との調整にはサポート役が必要と感じた。

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西岡裕二(にしおか ゆうじ)

北陸支店 管理部 現業グループ(北陸地区担当)
次長
1996年入社

事務担当として,執務環境整備,経理業務,各種契約手続きなどに従事。拠点事務所(長野営業所)と現場が離れていたため,拠点事務所に2人,現場詰所に1人,事務担当者を配置し,現場からの要望事項に即応できる体制をとった。工事に集中できる環境を早急に整備することが重要で,今回のような緊急工事の場合,PCや通信機器などの調達に際し,スムーズに対応できる体制が必要。緊迫した状況下でも「笑顔」を見せる心のゆとりが大事だと思う。

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