豪雪地で進むダム再生事業
新桂沢ダム堤体建設工事
北海道初の直轄多目的ダムとして1957年当社施工の桂沢ダムの堤体を11.9m嵩上げするダム再生事業。総貯水容量を1.6倍の1億4,730万m3とし,洪水調節機能の強化,および下流域にある三笠市をはじめ美唄市や岩見沢市へのライフラインである水道用水の安定供給が期待されている。
積雪量が2mに達する冬の過酷な自然環境のなかで,既設ダムの機能を維持しながら施工する難しい工事である。旧堤体へ給熱養生や冬季の断熱養生など対策を実施し,ダムコンクリートの品質確保に努めた。また,750t吊りクローラクレーン2台によるコンクリート打設などの工夫に加え,幅60mの型枠を自動で一括スライドすることに成功。豪雪と闘いながら品質確保と作業の効率化を達成した。

大詰めを迎えている既存ダムの嵩上げ工事
- 場所:
- 北海道三笠市
- 発注者:
- 国土交通省 北海道開発局
- 設計:
- 日本工営
- 規模:
- 重力式コンクリートダム
堤高 75.5m(11.9m嵩上げ)
原石山掘削工 574,450m3
コンクリート工 244,800m3
水道専用取水設備一式
プラムライン設置 - 工期:
- 2016年8月~2021年3月
(北海道支店JV施工)
超巨大顕微鏡
“放射光施設”を東北に!
のうち基本建屋新築工事
仙台市の東北大学青葉山新キャンパス内に建設中の本事業は,「官民地域パートナーシップ※」という新しい仕組みにより進められており,代表機関である(一財)光科学イノベーションセンターが建設を行っている。
放射光施設とは,X線を含んだ明るい光(放射光)を発生させて利用することにより,原子などをナノレベルで調べることができる巨大な顕微鏡で,モノの形だけではなくモノの化学的な状態の観察までを可能にする。素材・医療などあらゆる分野の学術研究の発展と産業技術開発に貢献することができ,我が国が先端技術で世界をリードしていくうえで,必要不可欠な研究基盤施設となる。
世界各国の企業者や研究者の「産学共創の拠点」となる当施設が竣工することによって,世界に対して「仙台,宮城,東北が東日本大震災を乗り越えて発展期に入った」ことを発信したいという思いを胸に,関係者一同は工事を進めている。
※(一財)光科学イノベーションセンター,宮城県,仙台市,東北大学,東北経済連合会

提供:(一財)光科学イノベーションセンター
- 場所:
- 仙台市青葉区
- 発注者:
- (一財)光科学イノベーションセンター
- 設計:
- 日建設計
- 用途:
- 研究施設
- 規模:
- S造一部RC造 B1,2F
延べ25,325m2 - 工期:
- 2020年3月~2023年3月
(東北支店JV施工)
大宮駅東口再開発のリーディングプロジェクト!
大宮は,北陸・北海道新幹線の開業で,東北圏,北陸圏,北海道と直結する東日本の玄関口としてこれまで以上に拠点の重要性が高まっている。大宮駅周辺で都市機能の基盤強化,およびビジネス機能の集積を目的として再開発が計画され,当社JVが施工する大宮駅東口大門町2丁目中地区再開発事業は,大宮駅東口再開発のリーディングプロジェクトとして地元自治体から熱い期待を寄せられている。
本工事は,2017年8月既存建屋の解体に着手,翌年3月から新築工事を開始し2021年10月末完成予定に向け最後の1年を迎える。逆打ち工法,1階スラブ下に免震装置を配置する柱頭免震構造,1階床から地下3階まで吊られたEVシャフトの構築など,精度の高い施工と厳しい工程管理を求められている。

大宮大門施工状況

提供:大宮駅東口大門町2丁目中地区市街地再開発組合
- 場所:
- さいたま市大宮区
- 事業者:
- 大宮駅東口大門町2丁目
中地区市街地再開発組合 - 事業コンサルタント:
- 都市設計連合
- 設計:
- 山下設計
- 用途:
- 公共公益施設(ホール),
商業施設,オフィス,
金融施設ほか - 規模:
- 地上―S造,地下―SRC造一部S造 B3,18F,PH1F 延べ82,043m2
- 工期
- 2018年3月~2021年10月
(関東支店JV施工)
「工種のデパート」
難工事に挑戦!
(くでんかさま)トンネル工事
公田笠間トンネル工事は,圏央道の一部を構成する横浜環状南線の中央部にあたり,往復3.4kmのシールドトンネルの他に,地中拡幅,刃口推進,導坑掘削,立坑構築,掘割盛土擁壁,換気所工事,護岸工事などを含む,まさに「工種のデパート」だ。メインとなるシールド工事も,大断面,超低土被り,軟弱地盤,急勾配,上下線離隔1m,埋設近接と難易度が高いうえ,閑静な住宅街ゆえに作業時間や工事車両の通行台数が制限を受けるなど厳しい条件下での施工となる。100万時間を突破した連続無災害記録の更新を続けながら,今年のシールドマシン発進という新局面の幕開けに向かって,個性豊かな職員と関係者が一丸となり,全力で突き進んでいく。

立坑内で組み立てが進むシールドマシン
- 場所:
- 横浜市栄区
- 発注者:
- 東日本高速道路 関東支社
- 設計:
- 日本シビックコンサルタント,
中央復建コンサルタンツ - 規模:
- 泥土圧式シールド工法
施工延長2.1km(トンネル区間1.7km明かり区間0.4km)
外径15m
掘削土量約800,000m3 - 工期:
- 2016年4月~2024年3月
(東京土木支店JV施工)
この現場の“挑戦の歴史”に注目!
東京の玄関口である浜松町駅における,世界貿易センタービルディングを中心とした大規模開発。その初弾となる地上39階,高さ約200mの世界貿易センタービルディング南館建設工事を現在施工中。隣接するC地区では,住宅,事務所,港区の文化芸術ホールなどが入る超高層複合ビルも本年2月に着工予定であり,その後の計画も含めて総延床面積約35万m2を整備するビッグプロジェクトである。
8月からは,霞が関ビルディングとともに超高層の黎明期を飾った「世界貿易センタービルディング」(1970年竣工当社施工)の解体も始まるが,今度は,日本初の150m以上の超高層解体に挑戦すべく,本社関連部署および当支店が一丸となって取り組んでいる。

旧芝離宮恩賜庭園に臨む世界貿易センタービルディング南館(左)と本館(右)

浜松町駅周辺の様子 南館左がC地区(解体中)
「世界最大級の
音楽アリーナ」に注目!
建設ラッシュが進む横浜みなとみらい21地区において,音楽アリーナやホテル,オフィスなどで構成される大規模複合施設の建設が進められている。
約2万席を誇る世界最大級の音楽アリーナやインターナショナルブランドホテル(約340室),オフィスの整備を通じて,上質なエンターテイメントを提供し,国内外から多くの人が訪れる国際的な交流拠点として,地域のにぎわいの核となる施設を創出するプロジェクトである。2020年8月に着工し,アリーナ棟・ホテル棟・オフィス棟の3棟同時施工で工事が進められており,現在,アリーナ棟は基礎躯体工事,ホテル棟・オフィス棟は現場造成杭工事を施工中。
世界最大級の音楽アリーナの誕生に向け,順調に工事は進捗している。

北側からの現場全景

完成予想パース
- 場所:
- 横浜市西区
- 発注者:
- ケン・コーポレーション
- 設計:
- 梓設計,国建,
当社横浜支店建築設計部 - 用途:
- 音楽アリーナ,ホテル,
オフィスほか - 規模:
- S造一部RC・SRC造
総延べ119,200m2 - 工期:
- 2020年8月~2023年7月
(横浜支店施工)