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発掘!旬の社員

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基本とチャレンジ
支え合う機電バッテリー

新技術を活かして未来を切り拓く
集合写真

photo: Shinjiro Yamada

新開貴行(左)

しんかい・たかゆき/福岡県出身/電気学科卒業

北陸支店 大河津分水路新第二床固改築JV工事事務所
機電課長

1999年入社。本社機械部に配属され,2010年5月まで横浜支店・中部支店で,トンネルとシールド現場を経験し,本社機械部機械技術センターではICT施工の現場支援業務に携わる。その後,北陸支店にて八箇峠トンネル,奥胎内ダムの現場でプラントなどの設備管理や越冬対策を担当。2019年3月に現JV工事事務所の機電課長として配属される。学生時代は野球一筋でポジションはキャッチャー。休日は,2児のパパとして,子どもと一緒に庭いじりや釣りを楽しんでる。

関原真之介(右)

せきはら・しんのすけ/長野県出身/
機械工学科卒業

北陸支店 大河津分水路新第二床固改築JV工事事務所

2009年入社。東京土木支店土木部機電グループに配属され間もなく,鉄道工事,道路工事の現場に出て,「機電社員とは」をゼロから学ぶ。同支店内のJV工事で,今の現場と同工種であるニューマチックケーソン工事を担当した後,東北支店で復興関連業務に携わる。2019年10月から現JV工事事務所でBIM/CIMマネージャーを担っている。学生時代は野球に打ち込んだ。今は,スパルタンレースやハーフマラソンに参加することを趣味とする。

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「にとこみえ~る館」の公式Twitter
大河津分水路に住むにとこちゃん(カルガモ)が改修事業全体を紹介しています。
よかったら見て欲しいトコ!!

品質向上に向けて

「今の現場は,特にやりがいを感じます」。そう口を揃えるのは,当社機電系の社員である新開貴行機電課長と関原真之介機電担当だ。

2人は北陸支店を代表する現場のひとつ「大河津分水路新第二床固(おおこうづぶんすいろしんだいにとこがため)改築工事」の施工管理を担当している。大河津分水路は,長野県と新潟県をまたいで貫流する国内最長の大河である信濃川の川沿いを,洪水から守るために作られた歴史ある人工河川だ。本工事は,河床が洗掘されることで発生する岸部の地すべりを防ぐため,老朽化した既存の床固を改修する工事だ。

通常,機電系社員が現場で担当するのは,仮設備やクレーンなどの管理が主となるが,この現場では通常業務に加えてBIM/CIMを活用した品質管理も担当している。BIM/CIMマネージャーの関原さんが主体となり,新開さんが支える。

本工事では調査・設計段階から施工,そして維持管理まで,一貫してICTを活用して建設プロセスの生産性向上を目指す。i-Constructionのモデル現場として指定されていることもあり,その責任は大きい。

チャレンジを楽しむ

関原さんは,この現場に配属されたタイミングで,BIM/CIMマネージャーの育成メンバーに選定され,本社で講習を受けた。「BIM/CIMマネージャーは,まだ社内で浸透していないため,自分がこの現場で必要性や効果を示すことで,認知度を高めていく役割もあると思っています」と自身の取組みの意義を語る。

新しい取組みゆえに,上手くいかないこともある中で「工事入手時の技術提案には,3次元データを用いた管理内容がいくつか入っていました。それを一つひとつ履行していくことが非常に面白いです」。

最近大変だったのは,Vフォームという3次元計測のための写真撮影だ。1枚の図面作成に必要な写真は約600枚。その撮影をするのに終日かけて1人で現場を奔走した。「こういった業務を伸び伸びと集中してできるのは,いつもフォローしてくれる頼れるキャッチャー気質の新開さんが支えてくれているからです」。

自分の役割を着実に果たす

新開さんは,トンネルやシールド,ダムなどさまざまな工種を経験してきたが,今の河川工事の現場に配属された時に,「最初は正直,また新しい工種を担当することに驚きましたが,その反面,楽しみでもありました」と話す。工種は違えど,機電社員として担当する受電や機械設備関係の計画など,施工管理という点で大きな差はない。しかし,本工事は,BIM/CIMによる3次元データの活用や大型クレーンの複数台使用に加え,気象・海象の状況次第で調整が必要な曳船対応もある難工事だ。

「難しい大規模現場でも自分の役割を果たし,現場の潤滑剤として安全,かつ円滑に工事を進めていくことが大切です。今まで難局を乗り越えてこられたのは,積極的に動いてくれるパートナーである関原さんと力を合わせてきたからです」。どんな工事であっても新開さんは自身の基本理念に立ち返る。

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プライベート写真

「趣味は家族サービス。今は子育てが一番楽しい」。お手本のようなパパ新開さん。長男はだいぶ大きくなり,一緒に釣りに行けるようになったのが嬉しい。1歳の長女は,寝かしつけは妻じゃないと大泣きするが,朝起きた時に少しだけ横に添い寝に来てくれるひと時が,最高に幸せだという。

成果をあげていく喜び

「BIM/CIMを特に有効活用できたのは,鋼殻ケーソンを10m沈設させる時でした」(新開さん)。計測機器で鋼殻ケーソンを計測しながら,CIMにリアルタイムで回転・傾斜・移動などの管理データを自動的に加えていくことで,位置や高さを設計通りに精度良く沈設することができた。「この自動計測システムは,計測会社・本社・現場が連携して開発したもので,良い成果が出せました」と関原さんは誇らしげに話す。

新開さんと関原さんの想いは一緒だ。「普段,機電系社員は現場で縁の下の力持ち的な仕事が主となりますが,これからの時代は,BIM/CIMマネージャーを担うこの現場のように,機電社員が主導して行える仕事を追求していく必要があると感じています。『この人がいないと困る!』そんな存在を目指していきたいです」。機電バッテリーの2人がしびれるほど力強く目標を語ってくれた。

プライベート写真

「汗をかくのがストレス発散です!はまっているのはスパルタンレース出場です」。(写真は2019年出場時,27kgの荷物を運ぶ「SAND BAG CARRY」)チャンスがあればヨーロッパで開催されるような,より過酷な50km超のレースにも参加したいとストイックな関原さん。毎朝,逆立ちで腕立てするなど鍛錬を怠らない。

※世界最大規模の障害物レース

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