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KAJIMAダイジェスト

file-1 建築系現場監督

図版:中村麻耶さん,永野真美さん,岩田道子さん

中村麻耶

(なかむら・まや/東京都出身/工学部建築学科卒)
東京建築支店 日本大学新病院(仮称)新築工事事務所

2011年入社。東京建築支店「(仮称)新宿六丁目N街区計画工事」の現場に配属される。2012年3月横浜支店に異動。神奈川大学横浜キャンパスの工事を経験後,2013年4月から当現場で現場監督を担当する。いまは,職人さんと作業について試行錯誤するのが楽しい。休日に美味しいものを食べにいくのが趣味。料理の腕も周囲から評判が高い。

永野真美

(ながの・まみ/東京都出身/理工学部システムデザイン工学科卒)
東京建築支店 日本大学新病院(仮称)新築工事事務所

2009年入社。東京建築支店で「(仮称)丸の内一丁目計画工事」,「大崎駅西口C地区開発計画建設工事」など大規模現場を経験後,2013年4月より当現場を担当。“一生現場監督でいたい”というほどの現場大好き女子。リフレッシュ法は,季節の変わり目に,趣味のカメラを持って街を散策すること。

岩田道子

(いわた・みちこ/秋田県出身/工学部建築学科卒)
東京建築支店 日本大学新病院(仮称)新築工事事務所

2013年入社。現在の東京建築支店「日本大学新病院(仮称)新築工事」に配属される。永野・中村両氏をはじめ,多くの先輩の指導のもと,この1年現場監督の仕事のいろはを学ぶ。現在は内装工事を担当,職人さんたちの“追いまわし”(作業確認)に日々奮闘している。週末は散歩や映画を観て過ごす。

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近年,当社では,施工部門での勤務を前提とした採用を実施している。男女,事務系,技術系を問わず,入社1年目より全国の支店現場に社員を配置し,ものづくりの原点での経験を積む。

東京建築支店「日本大学新病院(仮称)新築工事」の現場では,入社6年目・4年目・2年目の建築施工系の女性社員が働く。「私たちの仕事は現場監督です。現場のQ:品質/C:コスト/D:工期/S:安全/E:環境を管理する仕事をしています」。この仕事の魅力は,自分が計画したことが実際に実行され,間近で建物ができあがっていく過程を見られること。ものづくりの楽しさを実感している3人だ。

現場監督の仕事は,朝8時の朝礼から始まる。現場で作業を行う職長・作業員が集合し,1日の工事内容の確認や注意事項を周知し合う。朝礼後には,自分の担当エリアを中心に現場全体を巡回し,工事の進捗や作業員からの質問・相談に対応する。毎日11時30分から行われる「作業間連絡調整会議」では,職長から午前中の作業報告と至急対応事項の要望,翌日の作業内容が確認される。午後は対応事項の処理をはじめ,作業計画・工程の作成や施工状況の報告書・写真整理など机上での仕事のほか,打合わせ,現場巡回など多岐にわたる。「想像していたほど肉体労働とは感じません。事務処理作業も多いので,細かいことに気づく女性には向いている点も多いです」。入社6年目,準備工事,躯体工事,外装・内装工事など,あらゆる施工業務の現場監督を経験した永野真美さんは,“三姉妹”のなかではお姉さん的存在。常に後輩たちの仕事ぶりを気にかけ,先回りして対応する。

中村麻耶さんは,現場にいても女性らしさを忘れない。身だしなみにも気を使い,作業員への気配りを欠かさない。「職人さんの仕事は,常に危険と背中合わせです。現場に出たら,なるべく多くの方に声をかけ,その日の体調状態などを気にかけるようにしています。現場も竣工間近ですが,また私と一緒に仕事がしたいと思ってくれる人がいてくれたら嬉しいです」。

2年目を迎えた岩田道子さん。2人の先輩に見守られる環境のなかで,自由に仕事をやらせてもらえた1年だった。「永野さんは厳しい方ですが,現場でどうすればいいか途方にくれている時でも,相談すれば解決策を導き出してくれます。中村さんは私の質問に対し,平易に噛み砕いて説明してくださる優しい方です。職人さんたちへの指示書も丁寧にわかりやすく記述してあって,細やかな配慮を感じます」。岩田さんにとって,今年は新たな現場でひとり立ちする挑戦の年となる。

「一生現場監督でいたい」と話す永野さん。これから,女性の施工系社員が増えていくので,疎外感を感じない現場づくりを目指したいという。結婚や出産によって働き方の変化を余儀なくされる点に不安も感じるが,いまは,早く一人前の現場監督になれるよう日々現場を見て学ぶ毎日だ。

いつか所長になってひとつの建物を完成させたい──。永野さんが嬉しい夢を語ってくれた。

図版:河野所長と作業工程について検討する永野さん

河野所長と作業工程について検討する永野さん。現場監督の仕事はデスクワークも多い

図版:施工図を見ながら職人さんに指示を出す中村さん

施工図を見ながら職人さんに指示を出す中村さん。気さくで気配りのある中村さんは現場でも人気者

図版:内装工事を担当する岩田さん

内装工事を担当する岩田さん。目視により設備配管の設置状況を入念にチェックする

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Voice 意識改革の必要性 日本大学新病院(仮称)新築工事事務所 河野文明 所長

建築施工系では,2006年から現場勤務を前提とした女性採用が始まりました。私は女性だからといって,特別な環境を用意することはしていません。近年,建設業界のイメージアップを図るべく,現場では“3K”(きつい・汚い・危険)を払しょくする労働環境の改善に取り組んでおり,おのずと女性も働ける職場になったということです。

現場を志望して入社した女性たちが,結婚・子育てをする世代となっています。子育て中は技術研究所や管理部門で視野を広げスキルを磨いた後,現場復帰といったルートづくりを進めることが,喫緊の課題といえます。我々管理者の意識改革も必要ですね。

図版:日本大学新病院(仮称)新築工事事務所 河野文明 所長,中村麻耶さん,永野真美さん,岩田道子さん

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