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concept

RINNAI AMERICA H.Q.

光で包まれた連続する交流スペース

図版:南側外観

南側外観

米国アトランタ郊外の緑豊かな工業団地に位置する総合熱エネルギー機器メーカー,Rinnaiの米国本社ビル増築計画である。増築にあたっては,既存棟と接続させながら企業イメージを体現する新しい顔づくりと,コミュニケーションを活性化する空間の仕掛けが求められた。

2層で構成された建物内には,既存棟との隙間に設けた「サンシャインコリドー」,ランチエリア兼大会議場の「ビッグステップ」,2層吹抜けの「オープンコラボレーションスペース」 など,上下移動を伴う特徴的な吹抜け空間を各所に配置することで,小さいながらも変化に富んだ空間の広がりと上下階の連続性を創り出した。

外装には,透明(ガラス)と不透明(壁)の他に「半透明」の要素を加え,それらの割合を東西南北の日射状況や周辺環境に合わせて変化させることで,室内の光環境制御を試みた。半透明パネルを透過した光は,細かな光の粒子となって内部空間を柔らかく包み込むと同時に,様々な機能が散りばめられた内部空間を優しくつなぎとめ,全体に強い一体感をもたらしている。また,障子を想起させる半透明パネルは,どこか和の雰囲気を演出するとともに,柔らかな光のシャワーに包まれた内部空間には,まるで温かなシャワーをたっぷりと浴びているような清々しさがあり,日本の総合熱エネルギー機器メーカーの米国本社ビルとしてふさわしい建物となった。
(福田容明・松井甲並・Ron Torralba)

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図版:半透明断熱パネルとガラスによる昼光利用。内部に温かみのある空間を演出

半透明断熱パネルとガラスによる昼光利用。内部に温かみのある空間を演出

図版:ビッグステップ

ビッグステップ

図版:サンシャインコリドー

サンシャインコリドー

改ページ
図版:オープンコラボレーションスペース

オープンコラボレーションスペース

図版:外から2層吹抜けの開放的なコミュニケーションスペースを望む

外から2層吹抜けの開放的なコミュニケーションスペースを望む

改ページ
図版:周辺環境に呼応する外装と内部機能

周辺環境に呼応する外装と内部機能
隣接する雑木林が日射スクリーンとなる東面は,ガラス面を大きく開放的な空間とし,コミュニケーションスペースに。
日差しの強い南面は全面的に半透明とし,安定した光を終日確保したオープンオフィスに,日射の厳しい西面は主に壁面とし,AV環境に最適な大会議スペースに。

RINNAI AMERICA H.Q.
(米国ジョージア州ビーチツリー)

  • 発注者: Rinnai America Corporation
  • 設計: カジマ・アソシエイツ
  • 用途: 事務所
  • 規模: S造 2F 延べ3,484m2
  • 工期: 2017年10月~2018年8月竣工

(カジマ・ビルディング&デザイングループ施工)

写真

福田容明
(ふくだ・よしあき)

Kajima Building and
Design Group /
Senior Designer

主な作品:
  • Tokyo Times Tower
  • タカタ上海工場
  • 大樹荘
  • 奈良学園中学校・高等学校
  • 立命館中学校・高等学校

写真

松井甲並
(まつい・こうへい)

Kajima Building and
Design Group /
Designer

主な作品:
  • TOTO DRY STORAGE
  • TOPPAN BARRIER FILM PLANT
  • YAKULT USA PLANT
  • MNES NEW OFFICE

写真

Ron Torralba
(ロン・トラルバ)

Kajima Building and
Design Group /
Project Manager

主な作品:
  • Hoshizaki Building Expansion
  • Toyo Auto Parts
  • Mitsubishi Kagaku Imaging
  • UPS Spin-off Sorting Facility

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