虎ノ門ヒルズ駅
臨海エリア・有明から延びる環状2号線新橋・虎ノ門エリアは,特定都市再生緊急整備地域として,
国際的なビジネス機能に対応する都市開発が進行中だ。そのエリア一帯の要衝となるのが,
今月開業する東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ駅」だ。
都市の多様な機能をつかさどる同駅の誕生を紹介する。

虎ノ門一,二丁目再開発計画。「虎ノ門ヒルズ駅」に隣接する「ステーションタワー」も当社施工で建設が進む
日比谷線虎ノ門新駅(仮称)
設置に伴う土木工事
- 場所:
- 東京都港区
- 事業主体:
- 都市再生機構
- 発注者:
- 東京地下鉄
- 設計:
- 東京地下鉄
- 規模:
- 掘削数量約35,600m3,
既存構築撤去 約490m3,
鉄筋コンクリート約8,600m3 - 工期:
- 2015年12月~2020年4月
(東京土木支店JV施工)
虎ノ門ヒルズ駅
新設建築・電気工事
- 場所:
- 東京都港区
- 事業主体:
- 都市再生機構
- 発注者:
- 東京地下鉄
- 設計:
- 東京地下鉄
- 規模:
- 内装仕上一式,設備一式
- 工期:
- 2019年5月~2021年6月(予定)
(東京土木支店JV施工)

北千住方面行きホーム完成イメージ
まちにつながる駅
東京オリンピックの都市整備の一環として地下鉄日比谷線が全線開業したのが1964年。それから56年の時を経て,同線初の新駅となる「虎ノ門ヒルズ駅」が今月誕生する。霞ケ関〜神谷町駅間に新設される同駅は,地下歩行者通路で東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」を結び,「虎ノ門ヒルズ」各タワーと直結させる。
新駅を中心とする虎ノ門一, 二丁目エリアは,国から指定された特定都市再生緊急整備地域のひとつとして,居住,医療機能などの生活環境を備える国際的なビジネス・交流拠点を築くまちづくりが進む。また,環境・防災機能を備えるため,駅周辺エリアを地上,地下,デッキでつなぐ重層的な歩行者ネットワークが計画されている。
さらにこの一帯は,都心から臨海エリアへ向かう新たな玄関口となる。虎ノ門駅への地下歩行者通路は環状2号線沿いに発着するBRTのバスターミナルに直結。BRTは虎ノ門ヒルズ〜晴海間のプレ運行から始まり,2022年以降に本格運行がスタートされる予定だ。
今後同駅は,虎ノ門エリア一帯の交通結節点として,国際競争力を高める都市機能を果たしていく。

虎ノ門ヒルズ駅周辺イメージ。銀座線「虎ノ門駅」へとつなぐ地下歩行者通路はBRTのバスターミナルにも直結する

隣接エリア接続後完成イメージ。
国道1号(桜田通り)の上に広場空間がわたり,地下階層からの直結とともに隣接エリアを重層的につなげる
安全を確保しながらの地盤掘削工事
当社は新駅を設置する工事を担当した。約50年前に完成した地下鉄日比谷線の既設トンネルの一部を取り壊し,ホームを新設する。工事は,交通量の多い国道1号と環状2号線の路上および地下で行われた。国道1号の地下には,日比谷線の駅間トンネルが走っている。営業運転中の列車と乗客の安全を確保するため,工事は既設構造物への影響が少ないアンダーピニング工法を採用した。既設構造物の直下に地盤の強度を高める一連の工事を行い(写真①〜④),構造物の沈下を防ぐ。
地盤の強度が安定して確保されたところで,所定の深さまで周辺地山を掘削して新しい構造物を設置。構内のホームは,日比谷線トンネルの既設の側壁を撤去して設置された。最後に仕上げの建築・設備工事を行い,およそ4年半にわたる新駅設置工事は無事完了した。
東京の未来を支える社会基盤の構築に,当社はこれからも貢献していく。

①地中に連続した土留壁を造成

②構内地盤改良

③完成したトレンチの中で支持杭を打つ

④仮受け後

⑤構内鉄筋コンクリート工事

⑥ホーム設置
JR御茶ノ水駅改良工事・
聖橋口仮改札設置
JR御茶ノ水駅の全面改良工事。バリアフリー化と耐震補強を目的に,ホームを覆う人工地盤を築き,その上にS造の駅舎を設置する計画だ。2012年から続く大規模工事は現在1期が完了し,2期工事が始動した。
2期工事では主に聖橋口のバリアフリー化が進められる。その前段階として,これまでの聖橋口改札を閉鎖し,仮駅舎に聖橋口仮改札の移設が行われた。この後,御茶ノ水橋口との旅客動線が切り換えられ,一時的なバリアフリーが完成する。
また聖橋口仮改札の開業に伴い,従来の聖橋口駅舎と乗り換えの跨線橋を撤去する工事が計画されている。

側面図

2023年完成予定の聖橋口パース
(JR東日本プレスリリース資料より)。

移設された聖橋口仮改札