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特集 震災から7年,福島の今を知る

復興・創生期へと向かう足音

東日本大震災から7年が経つ。原子力発電所事故の影響を受けた福島は,
除染,特定廃棄物の処理を経て,2017年度には帰還困難区域以外の避難指示が概ね解除されるに至った。
当社が除染・建物解体・廃棄物処理業務等を担った富岡町も帰還を果たし,稲穂が色づくなかを常磐線が通った。
そして今,帰還困難区域では様々な課題を抱えながらも,帰還への準備を進める。

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写真:震災から7年,福島の今を知る

2017:2017年9月に行われた常磐線の試運転
*福島民友新聞2017年9月15日掲載
2016:稼働開始後の減容化処理施設(富岡町)
2015(上):運休が続いた常磐線(富岡町)

2015(下):仮置きされたフレコンバッグ(富岡町)
2012:除染モデル実証事業(富岡町)
2013:除染作業の様子(田村市)
2014:減容化処理施設の建設(富岡町)

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Message 震災復興への貢献が当社の使命

写真:東北支店長 勝治 博 常務執行役員

東北支店長
勝治 博 常務執行役員

復興・創生期間を迎えて

東日本大震災から丸7年,被災地は集中復興期間を経て,2016年度より「復興・創生期間」という新たな段階に入っています。東北被災3県のうち,岩手・宮城の両県については,三陸自動車道の整備や復興道路の建設等,交通インフラの工事では次々と橋梁の完成やトンネルの貫通を迎えています。また,まちづくり事業においても新たな生活基盤が整いつつあり,確実な復興の進捗を実感しています。当社が携わる「おながわまちづくり」においても,復興は順調に進んでいます。元旦に女川町に足を運びましたが,公営住宅や魚市場が完成し,駅周辺は店舗が軒を連ね,賑わいを見せていました。駅前プロムナードからは,女川湾から昇る朝日を望むことができます。初日の出を眺めながら,東北の早期復興を祈るとともに,震災復興への貢献を固く誓い,新しい年を迎えました。

福島県の復興状況

一方, 福島県の浜通りを中心とする地域では,昨年,居住制限区域,帰還困難区域の一部が避難指示解除となりましたが,帰還困難区域においては,いまだ厳しい状況が続いています。今後は帰還を目標に,除染や廃棄物処理等が本格化していきます。除染土壌・廃棄物についても,その対応が始まっています。双葉町・大熊町内では,2016年度より中間貯蔵施設の整備が本格着手しました。当社は現在,大熊町の中間貯蔵施設を建設中であり,本年7月の施設稼働を目指し,整備を進めています。

また,大熊町では昨年6月より,大川原地区にて復興拠点整備をスタートさせています。新たなまちづくりの第一歩として,当社の設計・施工により,この4月から新庁舎の建設にも着手します。他にも,福島復興再生特別措置法による特定復興再生拠点区域の設定が行われたことにより,帰還困難区域の避難指示が解除されることを目指す復興拠点整備の取組みも本格化しますので,その対応にも注力していきます。

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鹿島の総合力

こうした地域では,ようやく今,復興のスタートラインに立ちました。一日も早い復興を目指して,当社はスピード感をもって工事を推進していくことが,最大の震災復興への貢献だと考えます。

これから本格化する廃棄物処理やまちづくり,そしてその後に続く学校や病院等の整備,エネルギー関連施設や先端産業の建設工事についても,当社においてはこれまでの豊富な経験とノウハウがありますので,その技術力に自信をもって業務を推進していきたいと思います。中間貯蔵施設に関しては,施設の建設と並行して,除染土壌等の輸送・処理・埋立ての運用業務が本格化します。膨大な量の廃棄物を,生活道路を使って輸送しますので,安全を最優先に運営手法を固めていく必要があるでしょう。発注者や行政機関との十分な協議を重ね,そして地域の皆様のご意見をうかがいながら,支店はじめ本社の関連部署,グループ会社も含めた当社の総合力で,対応していきたいと考えます。

使命感をもって復興業務にあたる

現在,東北支店では265名の社員が東北の震災復興関連業務に従事しています。岩手・宮城の工事竣工後,その経験を活かし,福島のプロジェクトを担当してもらっている社員も数多くいます。土木においては,廃棄物処理のスペシャリストたちが,複数の現場を継続して担当してくれています。ものづくりとは異なる業務ではありますが,皆復興の意義を深く受け止め,高いモチベーションをもって頑張ってくれています。こうした最前線で活躍してもらっている社員に対しては,支店長はじめ管理部門の社員が現場を訪れる頻度を高め,一致協力して品質・安全管理,コンプライアンスを徹底していきます。私も全社に対し協力を呼びかけ,精一杯の努力をしていく所存です。震災復興への貢献が当社の使命であることを強く意識していただき,東北の真の復興と発展のために,支店一丸となり我々の使命を全うしましょう。

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