東日本大震災から9年が経つ。当社は福島第一原子力発電所の廃炉に向け,汚染水対策,使用済燃料プールからの燃料取り出し,燃料デブリ取り出し,廃棄物対策と,全社一体となり協力してきた。
そして,その道のりはまだまだ続く。3月26日,原子力発電所事故対応の拠点基地にもなったナショナルトレーニングセンターJヴィレッジから東京2020聖火リレーが始まる。日本中をわたるその火には「希望の道を、つなごう。」という想いが込められる。
ここでは,改めて福島第一原子力発電所の今とこれからについて思いを巡らせたい。
水素爆発によって飛散した放射性物質が
敷地全体を覆ったあの日から,
福島第一原子力発電所は
日々変化し続けている。
福島第一原子力発電所では,工事の内容や作業エリアによって,防護服やマスクなどの着用基準を設けている。事故当時は敷地全体のエリアで防護服と全面マスクの着用が必要であったが,2018年5月までに構内全域の96%のエリアで一般作業服などでの作業が可能となっている。
※1 1~3号機原子炉建屋内,および1~4号機タービン建屋内並びに周辺建屋のうち滞留水を保有するエリア
※2 Y zoneのうち黄色点線内は,濃縮塩水などを取り扱う作業など汚染を伴う作業を対象とし,パトロールや作業計画時の現場調査などは,G zone装備とする。なお,上図以外においてもG zone内で高濃度粉じん作業(建屋解体など)や濃縮塩水などのタンク移送ラインに関わる作業などを行う場合は,Y zoneを一時的に設定する
※3 図中のG zoneのほか,共用プール建屋の一部エリアも対象とする
2018年11月に開館した「東京電力廃炉資料館」(福島県双葉郡富岡町)では福島第一原子力発電所の事故の事実と廃炉作業の現状を知ることができる。
施設は大きく3つのゾーンに分けられる。まずはゾーン1「プロローグ」,東京電力から開館にあたってのメッセージが来館者を迎える。ゾーン2「記憶と記録・反省と教訓」では事故の進展と対応への様々な取組みに焦点を当て,外部電源復旧に至るまでの経過を紹介。そして,ゾーン3「廃炉現場の姿」では,廃炉に向けた対策とその現場の最新情報を発信する。いずれも模型や映像などを用いた分かりやすい展示となっている。
当館は福島第一原子力発電所から約10km離れた国道6号沿いにある。開館から約1年で5万人を超える人々が訪れた。