中国支店 中澤律夫
記録によると当社が山口県の岩国に進出したのは,1948(昭和23)年。その後,まもなく岩国出張所が開設されています。
当時から工場の施工を中心とした事業を展開していましたが,1956(昭和31)年の石油化学工場建設を契機に,各企業の進出もあり岩国・大竹地区には日本で有数のコンビナートが形成されていきました。
こうした時代の要請に応え,当社は数多くの工事を担い,最盛期には180名の社員を擁し,支店管内にとどまらず全社建築部門の完成工事高においても大きく貢献した大出張所でした。鉄骨2階建ての建物は,当時としては大きく,宿泊施設・浴場・キッチンが設置され,20人を超える社員が職住を共にしていたそうです。
優秀な人材も多く輩出しており,「艦長」の愛称で慕われた海軍出身の山本康久所長は後に専務取締役になられ,井上孝一事務主任は11代目の取締役広島支店長としてご活躍されました。
老朽化し役割を終え閉鎖された出張所は惜しまれながらも解体されることになり,去る2月7日に「解体清祓」を行いました。解体前の荷物整理では,昭和30年代のモノクロ工事写真,手描きの施工図などが多数発見され,栄光の歴史を垣間見ることができました。
歴史あるこの建物にお世話になった社員・OBは多数いらっしゃいますので,この場を借りて,岩国出張所建屋解体のご報告をさせて頂きます。