網状に増殖する川
(モプティ,マリ)
アフリカ大陸西部,マリ共和国の中央部に位置するモプティは,私たちが西アフリカと聞いて想像するような砂漠地帯ではなく,稲作を行うような湿地である。ギニアを発する大河,ニジェール川はマリに入るとほとんど勾配のない河川となって,内陸部にもかかわらずここに広大なデルタ地帯をつくる。ラムサール条約に登録される西アフリカ最大の湿原もあり,鳥や野生動物の宝庫でもある。雨季にはニジェール川から氾濫した水があたかも毛細血管のような網状流路をつくり,肥沃な湿原を形成している。モプティを後にした川は再び大河となって,ニジェール,ナイジェリアへと進む。