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川は流れる

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図版:網状に増殖する川(モプティ,マリ)

網状に増殖する川
(モプティ,マリ)

アフリカ大陸西部,マリ共和国の中央部に位置するモプティは,私たちが西アフリカと聞いて想像するような砂漠地帯ではなく,稲作を行うような湿地である。ギニアを発する大河,ニジェール川はマリに入るとほとんど勾配のない河川となって,内陸部にもかかわらずここに広大なデルタ地帯をつくる。ラムサール条約に登録される西アフリカ最大の湿原もあり,鳥や野生動物の宝庫でもある。雨季にはニジェール川から氾濫した水があたかも毛細血管のような網状流路をつくり,肥沃な湿原を形成している。モプティを後にした川は再び大河となって,ニジェール,ナイジェリアへと進む。

地図:モプティ,マリ
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図版:凍てつく大地を蛇行する(ナカンノ,ロシア)

凍てつく大地を蛇行する
(ナカンノ,ロシア)

一転,荒涼とした氷の世界へ。ロシアのニジニャヤ・ツングースカ川は,総延長約3,000km。蛇行を繰り返しながらシベリア大陸を横断し,数百km西を流れる大河エニセイ川に合流する。シベリアの内陸部は冬には氷点下40℃を下回り,川も凍結する。凍結が始まると氷によってせき止められた水があふれ,洪水が発生することもあるという。ここ,バイカル湖と北極海のちょうど中間点のあたりに,ナカンノという集落が写っているはずだが,画像では家々が雪に覆われ見つけることは難しい。広大なロシアの厳しい自然の一端がうかがえる。

地図:ナカンノ,ロシア

T.A.R.O.

衛星画像のスペシャリスト集団。東京・日本橋にて超小型衛星の設計・製造・運用を行うアクセルスペース社のビジネスチーム。画像は,24時間365日,高度500kmの上空から地球観測(リモートセンシング)を続ける同社開発の超小型人工衛星「ほどよし1号機」が撮影したもの

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