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特集 国内開発事業の現在地 ~鹿島グループの強みを活かす~

photo:浜田昌樹(川澄・小林研二写真事務所)

鹿島グループでは現在, 2021年度以降の経営環境における国内外の様々な変化を予想し,
企業価値の向上を目的とした収益源の多様化に積極的に取り組んでいる。
そうしたなか,国内開発事業では,首都圏を中心に戦略的に資産を取得。
当社グループの総合力を活かし,事業企画から設計・施工,さらに完成後の運用にかかる
各種マネジメントに至るまで,顧客の多様なニーズにきめ細かに対応する。
今月号の特集では,国内開発事業のこれまでの歴史を代表的な事業実績とともに振り返りながら,
当社グループの企画提案力を活かして優良事業を創出する「関発事業の現在とこれから」を紹介する。

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鹿島グループの
国内開発事業の歩み

当社の国内開発事業を担う開発事業本部は,1976年に設立した不動産の開発,販売,賃貸などを行う開発事業部が前身となる。当時の開発事業部は2つの部門によって構成されていた。一つは自ら事業主体となって開発事業にあたる直轄事業部,もう一つはそのノウハウを顧客に提供し,新しい事業の開発を手伝いつつ工事の受注を図っていく開発計画部だ。

以来,40年以上にわたり事業を展開。建設事業で培った信頼性と技術力をベースとしながら,継続的に事業実績を積み上げてきた。特に,都市部・交通結節点などのエリアでの開発や,土木・建築が一体となって進める都市開発諸制度を活用したまちの再構築に伴う大規模開発では,当社グループの総合力が大きな強みとなっている。まず,これまでの当社グループの国内開発事業の歴史を代表的なプロジェクトとともに振り返りたい。

1970年代は,埼玉県の「志木ニュータウン」や大阪府の「寝屋川東ファミリータウン」の2事業を本格化。これは大都市の都市機能充実や職住近接の要望による中高層集合住宅建設を主眼とする市街地再開発事業が各都市で進められようとしていたことが背景にあった。

1980年代末〜1990年代にかけては,「那須ちふり湖カントリークラブ」や「プレジデントリゾート軽井沢」などのリゾート開発に取り組んだ。普及が進んだ週休二日制による余暇拡充やリゾート法制定,セカンドハウス融資などが後押しとなり,国を挙げてのリゾート開発ブームのなか,当社は良質なリゾート空間の提供とともに,事業遂行による企画・運営ノウハウを蓄積していった。

また,都心部では「代官山アドレス」や「東京イースト21」などの市街地再開発事業や企業の工場跡地などの利活用,大規模な都市開発プロジェクトが首都圏の各所で積極的に展開された。

図版:志木ニュータウン

志木ニュータウン

図版:那須ちふり湖カントリークラブ

那須ちふり湖カントリークラブ

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2000年代は,「品川シーサイドフォレスト」や「虎ノ門タワーズ」など,当社グループが長年にわたり得意先とともに取り組んできた大規模開発事業が数多く完成した。一方,経済構造改革が重要な政策課題となるなか,都市再生を目的とした規制緩和や新制度の創設など,都市開発に民間資金やノウハウを誘導するための施策が具体化された。当社グループも「汐留タワー」や「秋葉原クロスフィールド」など,将来の発展が予想されるエリアで新たな事業に参入した。

その後は,これまでの実績を経て得られた開発ノウハウやプロジェクト遂行力を基盤とした様々な事業を展開している。「グラントウキョウ」では,特例容積率適用区域制度を活用した容積移転や当社の設計・施工の技術を活かした環境的形態配慮など,超一等地に相応しい首都東京の新しい景観を創出。一方で「KACHIDOKI THE TOWER」では,地権者協議などを経て,敷地の集約化・有効率アップを構築する地域密着型事業を展開している。また,「AKASAKA K-TOWER」では,建設技術による資産価値向上を目的に,新技術を駆使したオフィスやマンションを建設。そして,新分野において,「那須ちふり湖 太陽光発電事業」では,社内技術を活用した新たな付加価値の創造など,新しいプロジェクトを次々と手がけている。

近年は,東京都心部を中心に公有地を活用した複合開発や,地方中核都市での優良資産形成にも注力し,最適な事業ポートフォリオを構築しながら,着実な成長を目指していく。

図版:東京駅八重洲口開発プロジェクト(グラントウキョウ)

東京駅八重洲口開発プロジェクト
(グラントウキョウ)

図版:KACHIDOKI THE TOWER

KACHIDOKI THE TOWER

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