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message 良質な資本ストックを形成するエンジニアリングデベロッパーとして

副社長執行役員
山口 皓章 開発事業本部長

写真:山口皓章 開発事業本部長

当社の開発事業部門は,1976年に開発事業部としてスタートして以来,40年以上にわたり継続して事業を進めてきました。その結果,現時点では,鹿島の設計・建設のエンジニアリング力を活かしたデベロッパーとしての地位を確立することができたと自負しています。

そして,今後に向けては,中期経営計画の実現はもとより,10年,20年先を見据え,当社の中核を担う部門へと成長していかなければならないと改めて感じています。

将来を見越して挑戦

これまで十数年間,開発事業本部は,まちのポテンシャルを高め,新しい価値を生み出す事業を創出,推進してきました。

現在は,羽田空港跡地第1ゾーン整備事業,浜松町二丁目地区における開発中のプロジェクトを着実に推進しつつ,2021年以降の更なる展開に向け, 2020年までに優良資産を約3,000億円に積み増しし,さらに2025年度には4,000億円規模へと,現状からの倍増を目指しています。

また,不動産のノウハウを活用できる公的不動産利活用事業やコンセッション事業に積極的に取り組んでいくほか,優良事業の機会獲得に向け,首都圏のみならず,大阪・名古屋・福岡などの地方中核都市においても,適切なリスク評価を行った上で,既存収益ビルなどの取得を進めていきます。

今後も,これまで当社が蓄積してきたノウハウを活かして,SDGsの実現に向けた「先進性」「先端性」を有する事業創出に努めていきたいと考えています。

国内での事業バランス

この際に大切なのは,短期のフロー型事業と中長期のストック型事業のバランスだと考えています。前者は,構想・企画から計画・設計・施工を行ったうえで資産を売却しキャピタルゲインを得るものであり,後者は,施工後も運営・管理を行うことで資産に関与し続け,定常的に収益を得るものです。特に,後者の場合,下流にあたる運営・管理においてグループ会社のノウハウを活かすことでグループ一体となって総合的な価値創造を行うことができるとともに,そこで得られた知見を上流にあたる構想・企画にフィードバックすることにより,利用者や顧客のニーズに即した事業の創出につなげることができます。さらに,これまでの知見に加えて,自社の低未利用不動産を利活用することで新たな事業を創出しながら,資産活用ノウハウをさらに蓄積して,顧客に対しCRE提案を行っていこうと考えています。

柔軟な金融市場の活用

また,国内の不動産証券化市場は,今後さらなる拡大が見込まれております。この市場環境の変化を見据え,2018年度から当社グループ会社の鹿島不動産投資顧問が私募リートの運用を開始しました。当社グループの有する企画力や技術力,ネットワーク力を活かした特色ある不動産サービスの提供を通じて,機関投資家の長期安定運用に資する新たな投資機会の提供や,投資価値の最大化を図っていきます。

自らの強みを活かして

当社の開発事業の特徴は,企画を実行に移す開発エンジニアリング力にあるといえます。これは「再開発などで培った合意形成力」や「特区活用や許認可取得などの行政調整力」,「環境性能を向上させたオフィスなどの商品企画力」や「スキームを活用し事業を組み上げる事業構築力」などから成っています。

これらの強みに併せて,当社全体の幅広い業界や企業とのつながり,設計・建設のエンジニアリング力,与信力,地域に根付いたネットワーク力を統合させ,当社ブランドを活かしたエンジニアリングデベロッパーとして事業を構築しています。

幅広い経験を積んで人材育成

これらを支えるのは,33年間で約200人にものぼる部門独自に採用した人材です。入社10年で3部署の経験を基本とし,さらに,海外現地法人研修や出向制度なども活用して国内外で活躍するエンジニアリング力とマネジメント力を有する人材を育成していきます。特に海外での研修や出向では,先進的な開発ノウハウを学び,その経験や現地で構築したネットワークを国内に還流して,新たな事業分野の創造に寄与してほしいと願っています。

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