ゾーンA,B,Cを増築中
現在,当社が2023年夏以降のグランドオープンを目指し,工事を進めているのがHICityのゾーンA,B,Cにあたる部分だ。ゾーンAには「先端医療研究センター」として医療施設と付随する宿泊施設,ゾーンBには「研究開発拠点」としてラボや大規模オフィス,ゾーンCには「アート&テクノロジーセンター」としてオフィスや店舗が入る予定になっている。
HANEDA INNOVATION CITY
増築工事およびその他関連工事
- 発注者:
- 羽田みらい特定目的会社
- 全体統括:
- 当社開発事業本部/
設計:当社建築設計本部 - 用途:
- 研究開発拠点(ラボ,大規模オフィス),先端医療研究センター(医療施設,宿泊施設),
アート&テクノロジーセンター,飲食・物販・サービス店舗 ほか - 規模:
- S(CFT)造(一部RC造)
B1,10F 延べ約73,000m2 - 工期:
- 2021年7月~2023年6月
(東京建築支店施工)
航空制限高さと安全対策
「空港の隣接地であるため,工事にはさまざまな制限が伴います」と説明するのは,増築工事事務所の兒玉哲志所長。
そのひとつが空港周辺の建造物などに設定された高さ制限だ。その制限表面※は,滑走路から半径24km先まで及ぶ。建物は高さ制限ぎりぎりの仕様になっており,しかも本現場は水平表面と滑走路周囲の転移表面にまたがる位置にあるため,建物の部分によって高さ制限が変わる。「これまで羽田空港ターミナルの工事も担当してきましたが,滑走路とは少し離れた水平表面での工事でした。HICityの現場の位置は転移表面にあたるため,施工条件はさらに厳しい制約を受けます」。水平表面の工事であれば航空局との協議のうえ高さ制限を超える作業が可能だ。しかし,転移表面を超える作業は23時30分から翌5時30分に限られるため,鉄骨や外壁工事などのクレーンを要する作業は深夜帯に行うことを前提に施工計画を練った。「さらに羽田はもともと風が強いところ。資材の飛散などは直接大事故につながるため,注意に注意を重ね,安全には万全を期して工事に臨んでいます」。
この増築するゾーンでは,ウェルネス分野での先端医療の発信や,人々の健康を守る役割を担い長寿命化へ貢献する分野の企業・研究機関の入居が期待されている。「世界のゲートウェイとして創造・発信拠点となるHICityは,この地域に住む方々にとっても待望のプロジェクト。誇れる仕事として仕上げていきたいですね」と兒玉所長は力強く語る。