流域の複数のダムを一体的に整備する取組みは、関東平野を流れる鬼怒川上流の鬼怒川ダム群などで行われてきました。たとえば、貯水能力の高い川治ダムと年間流入量の多い五十里ダムとを水路トンネルでつなぐ「鬼怒川ダム群連携事業」です。このネットワーク化により、五十里ダムで利用しきれない水を川治ダムへ送って貯めることができ、より有効な水運用を図っています。
島根県でも複数のダムを一体的に整備する取組みが行われています。島根県西部に位置する浜田川は、浜田市の市街地を抜けて日本海へ注ぐ延長約20kmの河川です。浜田川総合開発事業は、既存の浜田ダムの再開発工事と、新たに計画された第二浜田ダムとを一体的に整備し、増加する流域の洪水被害を低減することを目的とした島根県の事業です。鹿島は第二浜田ダムの新設工事と浜田ダム再開発工事をともに担当しました。第二浜田ダムは本体ダムと鞍部ダムからなり、有効貯水容量は1,422万m3。また、1963年に完成した浜田ダムの再開発工事は、既設ゲートを撤去して、予備放流方式から自然放流方式に変更。減勢工の増設も行います。
第二浜田ダムは2016年に完成し、浜田ダム再開発工事の完成は2020年の予定です。この一体的整備により、洪水調節機能が大きく向上し、流域の洪水被害の減少が期待されます。
浜田川総合開発事業 第二浜田ダム本体建設工事
- 場所:
- 島根県浜田市
- 発注者:
- 島根県
- 工事内容:
- 本体ダム 重力式コンクリートダム 堤高97.8m、堤頂長218.0m、堤体積324,000m3
鞍部ダム 重力式コンクリートダム 堤高27.8m、堤頂長202.5m、堤体積34,000m3 - 工期:
- 2009年3月~2016年7月
(中国支店JV施工)
浜田川総合開発事業 浜田ダム再開発工事
- 場所:
- 島根県浜田市
- 発注者:
- 島根県
- 工事内容:
- 減勢工掘削4,560m3、既設取壊し8,719m3、既設ゲート撤去5門、
底泥処理工16,112m3、仮設工事一式 - 工期:
- 2014年3月~2020年3月
(中国支店JV施工)