ホーム > 技術とサービス > 土木技術 > Special Contents > 第1回 ダム再生と鹿島 > chapter4 再開発事例 > 新桂沢ダム

鹿島の土木技術 Special Contents

新桂沢ダム

新桂沢ダム

1957年に北海道初の多目的ダムとして鹿島の施工で誕生した桂沢ダム。半世紀以上前に造られた桂沢ダムの堤体を嵩上げするダム再開発工事が現在行われています。石狩川水系幾春別川に位置する桂沢ダムは、三笠市や岩見沢市等への水の供給や水力発電を担ってきました。

この再開発工事は国土交通省北海道開発局が手掛ける幾春別川総合開発事業の一環であり、堤高63.6mの既設堤体を75.5mへ11.9m嵩上げする工事です。これにより総貯水容量を現在の1.6倍に増加させ、利水・治水機能の向上を図ります。堤高を1.2倍の高さにすることで総貯水容量が1.6倍となる効率の良い再開発工事です。

地図

改ページ

堤体断面図

堤体断面図

本工事は直轄工事で初めて既存のダム軸と同じダム軸で嵩上げを行う「同軸嵩上げ」方式を採用。既設堤体の下流側にコンクリートを河床部から打ち足していきます。同軸嵩上げ方式は下流面にコンクリートを打設するため、仮締切設備等が不要で合理的な施工が可能になる等のメリットがあります。

本工事では、生産性向上技術を積極的に導入しており、その一つが「大型スライド型枠の全自動化」です。堤体コンクリート打設に使用する幅15m(1ブロック分)の大型型枠のスライド作業を、油圧ジャッキを用いたセルフクライミング装置と電動モータを用いた型枠脱型・セット装置の二つを組み合わせることで自動化しています。従来は型枠1基(3m)ずつクレーンでセットしていましたが、本システムによりタブレット端末から指示するだけで、型枠の脱型からスライド、セットまで全自動で行うことができます。今後、幅60mの大型スライド型枠の全自動化を行う予定です。

既設堤体下流面へコンクリートを打ち足す

既設堤体下流面へコンクリートを打ち足す

自動スライド型枠

自動スライド型枠

極寒地で進むダムの堤体嵩上げ工事は、1年の半分を豪雪と寒さと闘いながら、現場の社員・作業員一丸となって高品質なダム再生と工期短縮に挑戦しています。工事の完成は2021年春の予定です。

改ページ

工事概要

新桂沢ダム堤体建設第1期工事・第2期工事

場所:
北海道三笠市
発注者:
国土交通省北海道開発局札幌開発建設部
工事内容:
堤体基礎掘削約67,000m3、コンクリート打設工約244,800m3(1期・2期工事)
基礎処理工約5,870m、原石山掘削約487,200m3、構造物撤去工・設備工・取水設備工一式
工期:
2016年8月~2020年3月(1期)、2018年4月〜2021年3月(2期)

(北海道支店JV施工)

  • 鶴田ダム
  • 長安口ダム
  • 新桂沢ダム
  • 初立池
  • 浜田川総合開発事業

ホーム > 技術とサービス > 土木技術 > Special Contents > 第1回 ダム再生と鹿島 > chapter4 再開発事例 > 新桂沢ダム

ページのトップへ戻る

ページの先頭へ