ダム再生においては、放流設備の増強・更新とともに、堤体の補強も大きなポイントであり、各地のダムで堤体の補強工事が行われています。
愛知県田原市にある「初立池」は、渥美半島の先端に位置し、豊川用水の東部幹線水路の末端調整池として、周辺田畑に農業用水を供給しています。堤高22.5m、堤頂長346.5mのアースフィルダムで、1967年に鹿島の施工で完成しました。以来、約半世紀にわたり周辺地域の農地を潤してきましたが、大規模地震時に、より高い耐震性・安定性を確保することを目的とし耐震補強工事が行われました。
耐震補強工事は貯水池の水を抜いたドライの状態で行われ、既設堤体の上下流面に補強盛土を設置して堤体の強度を増加させました。上流側の補強盛土は液状化防止を目的とし、透水性、強度、剛性を高めるため購入砕石を使用しました。また、下流側の補強盛土は貯水池内から掘削した土を使用することで、貯水容量の確保と施工の合理化を図りました。
大規模地震対策初立池耐震補強工事
- 場所:
- 愛知県田原市
- 発注者:
- 独立行政法人 水資源機構
- 工事内容:
- 貯水池内土取場掘削121,100m3、上流側補強盛土61,000m3、下流側補強盛土98,100m3
仮廻し水路工φ500 L=1,460m - 工期:
- 2013年3月~2015年10月
(中部支店施工)