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鹿島の土木技術 Special Contents

長安口ダム

長安口ダム

徳島県那賀郡にある長安口ダムは、1956年に鹿島の施工で完成した重力式コンクリートダムです。那賀川水系唯一の多目的ダムで、洪水調節、発電、既得用水の安定化及び河川環境の保全等を目的としています。那賀川上流域は、年間降水量が3,000mmを超える多雨地帯である上、急流河川のため、出水時には川の水位が急激に上昇しやすく、流域では洪水被害が頻発していました。一方、1995年度以降ほぼ毎年のように取水制限が実施されるなど、渇水の被害も多発していました。

これらの課題に対処するために、2007年度にダムの管理が徳島県から国土交通省に移管され、長安口ダム改造事業が開始されました。洪水調節能力の増強、流水の正常な機能の維持、環境保全、貯水池機能の長期的な保全を目的としたものです。既設堤体において、洪水調節機能の向上を図るため、ダムを運用しながら非越流部2か所を幅約10m、高さ約30mの大きさで切削し、クレストゲート2門を増設するという、日本初の工事です。

地図

完成予想パース

完成予想パース(国土交通省那賀川河川事務所より提供)

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改造事業概要図

改造事業概要図(国土交通省那賀川河川事務所より提供)

長安口ダム改造事業はⅠ~Ⅳ期工事に分かれており、Ⅰ期工事では、既設堤体上流面の水中部に底部架台、仮締切及び予備ゲート等を設置する工事、Ⅱ期工事は、堤体の切削に代表される洪水吐の増設、及び減勢工の改造工事、Ⅲ期工事は洪水吐ゲートの新設工事、Ⅳ期工事では、既設の発電取水口に選択取水設備を設置します。さらに、長期的な貯水機能維持に向けた堆砂除去設備も整備予定です。鹿島はⅠ期及びⅡ期工事を施工しており、施工上の工夫として、Ⅰ期工事では水中における作業のユニット化、Ⅱ期工事ではロータリーパーカッションを採用して堤体切削の効率化を図るなど、先進的な取組みを行いました。

※機械メーカー施工

1期工事の様子

Ⅰ期工事の様子

2期工事の様子 下流より望む

Ⅱ期工事の様子 下流より望む

2期工事 切削工事の様子

Ⅱ期工事 切削工事の様子

改ページ

Ⅰ期工事は2017年2月に竣工し、Ⅱ期工事の堤体切削工事も堤体の挙動を常時監視しながら順調に施工が進んでいます。並行して、切り欠いた堤体に新たな洪水吐を設置するⅢ期工事、発電用選択取水設備を設置するⅣ期工事も施工中です。

鹿島の先達が60年以上前に築いた長安口ダムが、流域を守るための機能を向上させて生まれ変わるのは、2019年の予定です。

工事概要

平成24-28年度 長安口ダム施設改造工事(Ⅰ期工事)

場所:
徳島県那賀郡那賀町
発注者:
国土交通省四国地方整備局
工事内容:
土木工事-不陸整正工一式、底部架台工一式、予備ゲートピア工一式、
構造物撤去工一式、仮設工一式、機械設備工-鋼製底部架台製作・据付工一式、
鋼製仮締切設備製作・据付・撤去工一式、予備ゲート設備製作・据付工一式
工期:
2012年9月~2017年2月

(四国支店JV施工)

平成26-30年度 長安口ダム施設改造工事(Ⅱ期工事)

工事内容:
ダム土工57,350㎥、堤体工46,540m3、減勢工67,120m3、CSG工89,370m3
撤去工18,030m3、鋼橋架設工一式
工期:
2014年8月~2019年3月

(四国支店施工)

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