粉じん飛散防止材
「MAKフォーマー®.20」
生分解性と耐候性(効果持続性)を併せ持つ粉じん飛散防止材
建設工事においては、現場周辺への影響を低減するため、粉じんの飛散を極力防止する対策が必要です。その対策には散水やシート養生などがありますが、それぞれ施工性・確実性等に課題があります。また、従来の粉じん飛散防止材は簡易かつ安価に施工できる一方、非分解性の材料は環境中に長期的に残存すること、生分解性の材料は効果持続性が低いことが課題でした。そこで鹿島は、粉じんの飛散防止効果を確実かつ長期間持続する生分解性の粉じん飛散防止材MAKフォーマー®.20を開発しました。
令和3年度土木学会 環境賞
特許登録済
NETIS KT-220172-A

MAKフォーマー.20(左:A材、右:B材)

散布状況

形成された土壌被膜
- キーワード
- 粉じん飛散防止、法面侵食防止、生分解、耐候性
施工ステップ
散布前準備として、散布箇所を整地転圧し(①)、散布用車両に必要機材(作液用タンク他)を搭載します(②)。
次に、作液用タンクでA材とB材の2材と希釈水とを混合攪拌し、800L(平面仕様)になるまで加水します(③)。
散布はポンプとホースを接続し(④)、施工区画に薬液(平面仕様2L/m2)を散布します(⑤)。
土壌被膜の形成を確認し施工完了です(⑥)。
粉じん飛散防止効果は散布直後から認められ、散布翌日には土壌被膜が形成されていることを確認しました。

施工ステップ
特長・メリットココがポイント
土壌環境中での良好な生分解性を確認
生分解度を「プラスチック-呼吸計を用いた酸素消費量又は発生した二酸化炭素量の測定による土壌中での好気的究極生分解度の求め方(JIS K 6955:2006準拠)」により確認しました。実験で得られた生分解速度から、約1年半後に100%生分解すると推定しました。

生分解性試験結果
環境負荷を低減する安全な材料
水生生物に対する高い安全性を「ヒメダカを用いた魚類急性毒性試験(OECD、JIS K 0102:2016準拠)」により確認(LC50※が100mg/L 以上=毒性が低い)しました。
※Median Lethal Concentration(半致死濃度)を指し、濃度が高いほど毒性が低い

魚類急性毒性試験結果
※「GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)における水性環境有害性(急性)区分」より基準値を引用
高い粉じん飛散防止効果
現場適用時に、経時的な粉じん飛散防止効果の確認を行いました。試験の期間と方法は以下の通りで、効果の判断基準は、建設機械の稼働に係る粉じん等の不快感の目安である粉じん飛散量0.6mg/m3未満としました。
散布前試験では基準値を超過していましたが、散布翌日から散布5か月後までの試験期間においては、基準値を大きく下回り、粉じん飛散防止効果が長期間持続することを確認しました。
- 試験期間:5か月間(7~11月)
- 試験方法:
施工場所の中で計測地点を設定し、送風機とデジタル粉じん計を約3m離れた場所に設置。風速5m/sで送風。

経時的な粉じん濃度

散布直後のMAKフォーマー.20
法面の侵食防止にも効果
土壌被膜が形成されることから、降雨による法面の侵食防止、侵食にともなう濁水発生防止にも効果を発揮します。
生分解性がありながら既製品と同等の価格を実現
これまで両立が難しかった生分解性と耐候性を兼ね備え、かつ、既製品と同等の価格を実現しました。
適用実績

東京外環自動車道市川中工事
場所:千葉県市川市
竣工年:2020年7月
発注者:東日本高速道路
適用規模:散布面積 合計約5,300m2
学会論文発表実績
- 「耐久性および生分解性を重視した粉じん飛散防止材の検討」,土木学会,第73回年次学術講演会,2018年
- 「耐候性と生分解性を有する粉じん飛散防止材の一般工事における適用性の評価」,土木学会,第74回年次学術講演会,Ⅵ-1079,2019年
- 「膜養生材による法面侵食防止効果の検討」,土木学会,第75回年次学術講演会,Ⅵ-986,2020年
- 「粉じん飛散防止材の散布による降雨時の法面侵食防止効果(査読付き)」,第14回地盤改良シンポジウム論文集,2020年
- 「膜養生材による実規模法面の長期侵食防止効果の検証」,土木学会,第76回年次学術講演会,Ⅵ-69,2021年