希少水生生物保全技術
豊富なノウハウをもとに着工前調査から施工後のフォローまでカバー
造成や伐採を伴う工事は、貴重種を含む動植物を育んだ豊かな自然環境のもとで実施せざるを得ないことがあります。特に、当該構造物が大規模であれば、工事範囲・期間が自然環境(地形・植生)に与える影響も低減する必要があります。
そのため、工事においては工事終了後の環境修復とあわせ、工事中の環境維持対策についても十分に配慮した施工を行っています。特に自然保護対策に関する配慮・工夫については、対象とする貴重種の絞込み、現地調査、それらの生態をはじめとした生物情報を加味した保全メニューを提案しています。さらに、工事終了時における貴重種の生息状況を確認することにより、工事中の環境維持対策の有効性検証や、より適した環境にすべく改善案の検討まで行っています。

現地調査に基づく保全対策の提案、実施
- キーワード
- 生態系保全、iPad、環境保全、環境学習
環境保全対策について
建設工事において近隣住民の環境保全に対する要求は高く、発注者側もこれを無視できません。魚介類が生息する水域に近接した土木工事では、セメント系排水の漏出による環境水のpH上昇、掘削・浚渫に伴う濁りの発生、重機による騒音振動など、水生生物に影響を与える因子が存在します。そのため、これらの生育区域内での工事では、移植や一時的な保護・退避の対策が可能な場合を除いて、工事による影響を最小限に留めるための工程変更・制限や流路の切り回し、作業道の仮設迂回など環境保全対策を実施しています。
これまでの検討対象種は多岐にわたっています。淡水魚類ではアユ、ヤマメ、タナゴ、ホトケドジョウ、トゲウオ、海水魚ではトビハゼ、トカゲハゼ、アワビ、アサリ、タイラギ、イセエビ、カブトガニ、アカテガニ、ワカメ、コンブ、ノリ、リュウキュウアマモなどに対する対策等を検討しています。「レッドデータブック」(環境省)、「日本の希少な水生野生生物に関するデータブック」(水産庁版)に掲載されている種は保護対象となりますので、その生態情報に応じた調査や対策ノウハウがポイントとなります。

水生生物の生息場所保全対策の実行フロー

淡水魚データベースの概念図
特長・メリットココがポイント
豊富な調査ノウハウと移植保全実績
- これまでに対応の検討、調査を実施した水生生物は多岐にわたります。主な種類はアユ、ヤマメ、タナゴ、ホトケドジョウ、トゲウオ、トビハゼ、トカゲハゼ、アワビ、アサリ、タイラギ、イセエビ、カブトガニ、ワカメ、コンブ、ノリ、リュウキュウアマモなど、淡水魚から海水魚、水産生物にまで幅広い実績があります。

工事予定地から保護した希少魚類ホトケドジョウ

土砂流入防止柵
水生生物の生態情報、データベースから最適保全対策提案
- 「レッドデータブック」(環境省)、「日本の希少な水生野生生物に関するデータブック」(水産庁版)などに記載されている種類はもとより、要望があった種類についてその生態情報に応じた調査や対策を構築します。
- データベースは、河川・湖沼工事等に付随して起こる魚類生息環境問題に対応する迅速な情報提供や環境問題に関する技術営業資料の基礎データとして利用することを目的に、日本産淡水魚類140種についての情報(形態・分布・生態・生活史・稀少性・画像等)を簡潔にまとめたものです。

適用実績
![]()
新東名高速道路佐奈川橋(仮称)
場所:愛知県豊川市
竣工年:2012年
![]()
福岡県五ヶ山ダム
場所:福岡県筑紫郡
学会論文発表実績
- 「スイゼンジノリ培養条件の検討」,平成23年度日本水産学会春季大会講演要旨集,1319海藻,2011年
- 「カワスナガニ幼生の室内飼育実験」土木学会,第67回年次講演会,Ⅱ-109,2012年