環境配慮型ポーラスコンクリート工法
大きな空隙のポーラスコンクリートで多様な生物の生息空間を創出
河川や調整池などの水辺環境は動植物の生息環境として重要な機能をもつことが認識されるようになり、環境保全効果に優れた多自然型護岸の採用が増加しています。ポーラスコンクリート(POC)は通常のコンクリートと異なり、動植物が利用可能な空隙を作ることができるため、多自然型護岸として利用されています。しかし、従来のPOCは使用する骨材(または空隙)が小さく、動植物の生育環境としては不十分でした。
鹿島は、農研機構農村工学研究所、住友大阪セメント、ケミカルグラウトと共同(官民連携新技術研究開発事業)で、従来のPOCより空隙の大きい「環境配慮型ポーラスコンクリート工法」を開発しました。
特許登録済

ポーラスコンクリートの環境保全機能
- キーワード
- ポーラスコンクリート、多自然型護岸、生物多様性、生息空間
施工手順
一般的な現場における施工フロー及び長大法面を対象とした実際の打設状況を以下に示します。

施工フロー

長大法面における打設状況
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特長・メリットココがポイント
多様な生物の生息できる大きな空隙と必要強度を確保
- 20~40mmの骨材を使用することで、従来のPOCの2倍程度の空隙径を持つPOCが製造可能になりました。大きな空隙によって多様な生物が生息できます。
- 特殊混和剤を使用することにより、大きな骨材でも護岸に必要な圧縮強度10N/mm2を確保できます。
自然土壌の充填が可能
- 空隙が大きいため、アルカリの緩衝効果が高く安価な黒土などの自然土壌を充塡できます。
施工可能場所の拡大を実現
- 各工程に施工規模に応じた施工機械を使用することで、小規模な水路から大規模な護岸まで現場打設が可能です。二次製品ブロックでの施工にも対応しています。
草刈作業の省力化
- 通常の多自然型護岸に比べ足場の安定性があるため、草刈作業を省力化できます。

POC断面形状(空隙を緑色で表示)

POC水路(施工4年半後)
多様な水生昆虫や植物が良好に生育
- 植生域・底泥域など環境の異なる部分に棲み分けを行い、RC水路に比べ様々な水生昆虫が生育しています。
- 骨材粒径の小さい従来のPOCに比べて植物の生育が良好で、多様な植物が生育しています。

施工後1年間の水生昆虫の分布例
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適用実績

新最終処分場調整池
場所:栃木県宇都宮市
竣工年:2004年4月
発注者:宇都宮市
規模:施工面積約1,500m2

いさわ南部農地整備事業
ポーラスコンクリート水路
場所:岩手県奥州市
竣工年:2003年11月
発注者:東北農政局
規模:施工面積250m2

忍野ため池
場所:山梨県南都留郡
竣工年:2003年9月
発注者:山梨県
規模:施工面積約5,000m2

当間高原リゾート・
リバーサイド自然観察池
場所:新潟県十日町市
竣工年:2002年10月
発注者:当間高原リゾート
規模:施工面積150m2
学会論文発表実績
- 「環境配慮型ポーラスコンクリートによる農業水利施設の多機能護岸工法の開発」,農林水産省,官民連携新技術研究開発事業,2001年-2003年
- 「骨材粒径の異なるポーラスコンクリートの植物生育特性」,第60回土木学会年次学術講演会講演概要集,2005年
- 「ポーラスコンクリート水路の生物生息環境の特性」,日本緑化工学会誌,32巻1号,2006年
- 「大粒径ポーラスコンクリートに関する研究」,コンクリート工学年次論文集,29巻2号,2007年