アクティブノイズコントロール
(能動騒音制御)
騒音を音で消す施工現場における
重機や発電機などのエンジン排気騒音を消音
音を逆位相の音で打ち消すことで、覆いや障壁なしに騒音を低減できる能動騒音制御(Active Noise Control、以下ANC)技術があります。ANCは、適用できる騒音源が限られていることや、効果の得られる領域に制限があることなどの難点もありますが、いくつかの条件さえ揃えば一定の効果が期待できる有用な技術です。
施工現場近隣の住民や自然環境に配慮した工事騒音対策の提案が必要不可欠である昨今、鹿島はANC技術の効果的な活用を提案します。
特許登録済

ANCシステムの重機への適用例
- キーワード
- アクティブノイズコントロール、能動騒音制御、エンジン排気騒音、ANC
従来技術では対応困難な低音域の騒音に効果を発揮
工事現場に比較的隣接して民家があるような場合、高音域の騒音は、仮囲い、防音塀、サッシによってある程度遮音されます。しかし、低音域のエンジン排気音は、波長が長い分、回り込みも大きく、遮音もされにくいため、室内では高音域の騒音だけが減衰し、低音域が際立って聞こえてしまうという、ヒトにとって不快な音環境が形成されることになります。ANCは、低音域の消音に効果を発揮するため、このような施工環境に適した騒音対策が可能となります。

ANCが効果的に機能する環境の一例
特長・メリットココがポイント
コンパクトなシステムを実現
能動騒音制御の原理から、チャンネル数が多くなるほど、制御領域が拡大する性質があります。しかし、チャンネル数の増加は、装置の大型化、騒音源への近接配置が困難になるなどのデメリットがあります。そこで、本システムでは、最適の2チャンネルシステムを採用しています。
騒音源への近接配置が可能
能動騒音制御の原理からは、一般的にスピーカの下向き配置は不利と考えられていました。本システムは、その固定観念を覆した画期的な配置方式で、騒音源への近接配置を可能とし、また、防水性の向上、スピーカユニットの破損防止にも貢献しています。

ANCシステムの重機への適用例
鹿島独自の原理で効果的に消音
アクティブノイズコントロールが扱う”音響的な場”というのは、制御スピーカ近傍では非常に乱れており、遠方にいくにしたがい乱れが解消され、きれいになるという性質があります。乱れた場の特性に厳密に合わせて制御してしまうと、肝心の遠方領域での消音効果が十分に発揮されなくなってしまうため、はじめから乱れていない理想的な場を想定して制御を行うという発想に基づいた、当社独自の「仮想点制御の原理」を採用しています。

鹿島独自の「仮想点制御の原理」(概念図)
適用実績

東京駅丸の内駅舎保存・復原工事
場所:東京都千代田区
竣工年:2012年6月
発注者:東日本旅客鉄道
適用対象:発電機のエンジン排気騒音

芝公園一丁目計画地上解体工事
場所:東京都港区
竣工年:2013年5月
発注者:ガッサン・プロパティーズ特定目的会社
適用対象:重機のエンジン排気騒音

半田市新庁舎建設工事
場所:愛知県半田市
竣工年:2014年12月
発注者:半田市
適用対象:重機のエンジン排気騒音

岡山大学(鹿田)
医歯薬融合型教育研究拠点施設新営
その他工事
場所:岡山県岡山市
竣工年:2015年1月
発注者:岡山大学
適用対象:重機のエンジン排気騒音
学会論文発表実績
- 「仮想点制御による能動制御空間の拡大」,日本騒音制御工学会,2010年春季研究発表会(招待講演)
- 「フィードフォワード制御の制御領域拡大に関する2,3の考察」,日本音響学会建築音響研究会,2011年7月