伸縮可能な鉄筋かごを用いた
「ストランド場所打ち杭工法」
鉄筋かごの伸縮により、低空頭でも継手のない施工が可能に
都市部での駅舎の増改築工事や既設構造物基礎の耐震補強工事の現場では、狭隘で上部空間の制約を受ける場所で杭工事を行うことが少なくありません。従来の鉄筋継手方式の杭では継手箇所が多くなり、安全性と施工性が低下することから施工法の改善が望まれていました。
この「ストランド場所打ち杭工法」は工場組立、現場伸展方式を採用しています。本工法に用いる鉄筋かごは、縦軸方向の鋼材に通常の鉄筋に代えて可撓性を持つストランド(ワイヤー)を使用し、特殊な金具で帯鉄筋と結合することによって、伸縮が可能になっています。工場で組み立てて縮小した鉄筋かごを現場で伸展することで、上部に空間がない場所においても鉄筋かごの運搬や建て込みが容易となり、生産性が劇的に向上します。
なお、本工法は、東日本旅客鉄道のご指導・ご協力のもと施工しており、鉄道ACT研究会のPR工法に登録されています。
特許登録済

縮小時と伸展時のストランド鉄筋かご
関連情報
- キーワード
- ストランド、鉄筋かご、場所打ち杭、低空頭
ストランド場所打ち杭工法の概要
ストランド場所打ち杭工法は、縦軸方向に可撓性のあるストランドを採用し、ストランドと帯鉄筋である異形鉄筋を90°回転可能な特殊な結合回転金具を用いて結合することで鉄筋かごの伸縮を可能にした工法です。ストランドの可撓性を利用して鉄筋かご全体をねじることで、ストランドが螺旋状に変形し、鉄筋かご全体が縮小可能となります。
鉄筋かごはあらかじめ工場で組み立てて縮小した状態で現場へ搬入し、掘削した孔内へ伸展するだけで鉄筋かご建込みが完了します。このため低空頭条件下でも継手作業が発生せず、短時間で鉄筋かごを建て込むことができます。
縮小時の鉄筋かごの長さは、伸展時と比較して約1/4~1/6程度となります。また、軽量かつ高強度であるストランドの採用により総重量は1/2~2/3程度となることで、運搬及び建込み作業の労力を大きく低減することができます。

結合回転金具

縮小時の鉄筋かご

施工ステップ
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ストランド場所打ち杭伸展の様子(動画:23秒/音なし)
特長・メリットココがポイント
鉄筋かご建て込みの省力化が可能
- 縮小状態での運搬・建て込みが可能となるため、低空頭部・狭隘部においても容易に施工が可能となります。
- 主鉄筋の継手を省略できるため、現場での継手作業がなくなり、作業時間が大幅に短縮できます。

杭長7.9mの鉄筋かごの伸展作業がわずか5分で完了
高い精度で鉄筋かごの製作が可能
- 鉄筋かごの組立ては工場で行うため、高精度で製作することができます。

工場での鉄筋かご製作状況
小型車両で現場搬入が可能
- 鉄筋かごの長さが1/4~1/6まで縮小されるため、小型車両での現場搬入が可能になります。

場内運搬の状況
適用実績

JR渋谷駅改良における工事桁基礎杭
場所:東京都渋谷区
竣工年:2018年10月(ストランド場所打ち杭施工完了)
発注者:東日本旅客鉄道
規模:Φ1,200 L=7,900 2本
学会論文発表実績
- 「ストランドを軸方向鋼材に用いた場所打ち杭における伸縮式鉄筋かごの機構とその特性」,土木学会論文集E2 ,Vol.74,No.3, 2018年9月
- 「ストランドを軸方向鋼材に用いた杭部材の曲げに対する特性と設計法」,土木学会論文集E2,Vol.75,No.2,2019年4月
- 「建設機械施工:渋谷駅改良工事にストランド場所打ち杭工法を採用」,建設機械施工,第834号,2019年8月
- 「伸縮式鉄筋かごを用いた場所打ち杭工法の開発」,土木学会,土木建設技術発表会概要集,2008年11月
- 「ストランド場所打ち杭工法における鉄筋かごの浮上り防止方法」,土木学会,土木建設技術発表会2019,2019年11月