エレメント推進「PCR工法」
PCR工法を用いて軌道直下に大空間を構築
PCR工法は、供用中の鉄道や道路直下に横断構造物を構築する非開削工法です。
地中に矩形断面のPCR桁を並列で推進して、それらにプレストレスを作用させて一体化することで、安全かつ確実に構造物を構築できます。
以下に「京王線 京王相模原線 調布駅地下化」、「小湊鐵道直下の市道立体交差工事」の実績を紹介します。
なお、PCR工法はURT協会の技術です。
特許登録済
- キーワード
- PCR工法、エレメント推進工法、PC、鉄道、鉄道地下化、連続立体交差、軌道分岐器仮受、軌道直下、地下大空間
京王線 京王相模原線 調布駅地下化
京王線調布駅付近連続立体交差事業の分岐部では、一体的に軌道を仮受けするPCR(Prestressed Concrete Roof method)工法を採用し、安全かつ短工期で軌道直下に大空間を実現しました。
京王線と京王相模原線の線路が複雑に交差する調布駅西側の分岐部では、軌道上に精巧な分岐器が輻輳しています。地下化工事の軌道仮受けでは、工事桁を用いるのが一般的ですが、この工事では軌道に多数の分岐器があり工事桁の架設が困難なため、分岐部で初めてPCR工法が採用されました。
本工事では、軌道直下にPCR桁(断面1.2m×1.2m)を推進してPC緊張することで、地下躯体の上床版(線路方向82m×線路直角方向24m)を構築し、軌道及び分岐器を非開削で仮受けしました。
2011年度土木学会 技術賞

施工位置状況(地下化前)

PCR工法完了後の掘削状況 軌道直下の大空間での作業

シールド回転立坑として軌道直下に大空間を構築
施工ステップ
先行して1.2m角の角形鋼管(仮管)を人力掘削にて推進します(❶)。さらにPCR桁を投入し角形鋼管を押し出し、PCR桁に置換していきます(❷)。合計65本のPCR桁で軌道を仮受けした後、地上に近い地下1階スラブを先行して施工し、その下を掘り進める“逆巻き工法”による大規模開削工法で地下に大空間を構築しました。

PCR工法の施工手順

<工事概要>
場所:東京都調布市
竣工年:2009年3月
発注者:京王電鉄
規模:施工面積 幅82m×延長24m
学会論文発表実績
- 「PCR工法による分岐器仮受工事の施工実績」,土木学会第64回年次学術講演会,2009年9月,京王電鉄・鹿島共著
- 「大規模な分岐部を含む既設地上駅部を地下化」,トンネルと地下,2009年3月,京王電鉄・鹿島共著
- 「PCR工法による分岐器仮受工事の計画,設計,施工」,地下空間シンポジウム,2008年1月,京王電鉄・鹿島共著
小湊鐵道直下の市道立体交差工事NEW
千葉県市原市内で小湊鐵道の直下に市道(八幡椎津線)を通す立体交差工事において、非開削工法であるPCR工法を採用して、「低土被り」「緩い砂質土」「地表面レベルの地下水位」という厳しい条件下で、市道ボックスカルバート躯体を構築しました。
本工事では、軌道直下にPCR桁(断面1.1m×2.2m)を推進し、PC緊張することで、「上床部」、「側壁部」、「下床部」で構成されるボックスカルバート躯体(内空幅23.1m×内空高さ6.1m×延長15.0m)を構築しました。その後、函体内空断面を掘削、函体内を区切る「中間壁」を打設し、本設利用の道路函体を完成させました。

施工位置状況(立体交差前)

PCR工法による推進完了

完成後の道路函体
施工ステップ
当事例では28本(3ブロック/本)のPCR桁、また4本(3ブロック/本)の鋼製エレメントを用いて、「上床部」、「側壁部」、「下床部」からなるボックスカルバート躯体を構築しました。
上床部
京王線調布駅地下化工事と同様に、まず角形鋼管を推進します(❶)。
PCR桁を1ブロック(各5m)ずつ投入し、PC緊張による縦締めで順次一体化し、角形鋼管を置換しながら推進します(❷❸)。
ボックス躯体隅角部では鋼製エレメントを推進して設置します。鋼製エレメント推進後、エレメント内部から躯体横断方向に挿入したPC鋼線で横締めしてPC桁同士を一体化させ、「上床部」を構築します。
側壁部、下床部 「上床部」と同様の手順で構築します。
中間壁
最後に躯体内に3つの「中間壁」をコンクリートで構築して空間を隔てることによって、片側2車線の車道、片側1線の歩道をそれぞれ両側に設けました。

角形鋼管・PCR置換推進の手順

縦締めと横締めによる一体化

<工事概要>
場所:千葉県市原市
竣工年:2025年9月
発注者:小湊鐵道
規模:函体内空寸法 幅23.1m×高さ6.1m×延長15.0m