目視調査に基づく
コンクリート表層品質評価システム
コンクリートの表層品質を目で見て評価し、品質向上へとつなげる技術
本手法は、コンクリート構造物の表層品質について、目視評価に基づき、簡便かつ定量的に評価できる品質管理手法です。
施工現場においては、PDCAサイクルを回して常に改善を図っていきます。しかし、コンクリート工事において、これまではPDCAサイクルにおける「C;Check」の合理的な評価手法が確立されていませんでした。
そこで、鹿島は「美しいコンクリートは品質と耐久性の高いコンクリートである」を基本的な概念として、いわゆる「見栄え」を尺度とした評価手法を横浜国立大学細田教授と共同で開発しました。この評価手法を用いることにより、コンクリート構造物の表面状態を施工者自らが定量的に評価可能となり、その結果に基づいて具体的な改善・工夫を講じることができ、結果として品質向上に貢献できます。
2019年日本コンクリート工学会賞 技術賞

コンクリート表層品質向上に関するPDCAサイクル
- キーワード
- 表層品質、品質向上、目視調査、PDCA、かぶり、美観
本評価手法の概要
コンクリート構造物の耐久性を低下させる劣化因子は、かぶりコンクリートを通じて表面から内部に侵入するため、かぶりコンクリートの品質が非常に重要になります。一方、かぶりコンクリートの品質は、使用材料や配合などに加えて、型枠、打込み、締固めおよび養生などの施工の影響を大きく受けます。そのため、同一のコンクリートを用いて構造物を構築したとしても、施工の良し悪しによって極めて品質の高いものから逆に品質の低いものになる場合もあります。本手法は、コンクリート工事における型枠取外しの際に、コンクリート構造物の表面状態について、鹿島が独自に開発した右の「目視評価シート」を用いて定量的に評価するものです。目視による評価結果に基づきPDCAを回すことで次の施工において改善が行われ、コンクリート構造物の品質向上に大きな効果を上げています。

目視評価シート
(画像をクリックすると拡大表示されます。)
本手法の適用実績と効果検証
鉄道RCラーメン高架橋
既設路線を高架化する鉄道RCラーメン高架橋(1〜3期)に本技術を用いてPDCAサイクルの運用に適用しました。その結果、目視評価の評価値が工期の進捗に伴って改善向上しました。施工段階で以下の工夫、改善が実施されました。
- 標本ブロックを用いた締固め、剥離剤の最適化検討
- 打込み中の型枠汚れを防止するシートの適用
- 打重ね時間間隔、締固め時間の管理の徹底

RCラーメン橋での目視調査状況

目視評価の結果
ボックスカルバート中柱
東京外環自動車道国分工事では、「C;Check 表層品質評価」から、「A;Action 施工法の改善・工夫」までを独自に検討し、構造物の品質向上を図りました。
- 施工時のコンクリートの性状、運搬、打込み、環境のデータ(例えば、スランプ、運搬時間、温度など)の取得
- コンクリート構造物の表層品質を目視評価法で実施
- 評価結果のトレンドを把握して、表層品質に影響している施工要因を分析
- 施工法に的確な改善・工夫を施し、表層品質をさらに向上

東京外環自動車道国分工事 剥離剤の変更検討
適用実績

西武鉄道池袋線 石神井公園駅付近高架化
場所:東京都練馬区
竣工年:2013年
発注者:西武鉄道
規模:高架橋5基 橋脚3基 RC桁3連 PC桁5連

東京外環自動車道 国分工事
場所:千葉県市川市
竣工年:2019年
発注者:東日本高速道路
規模:1.8kmの壁 中柱

川井浄水場
場所:神奈川県横浜市
竣工年:2015年
発注者:ウォーターネクスト横浜
規模:処理能力172,800m3/日
学会論文発表実績
- 「目視評価法を活用したコンクリート構造物の品質確保の取組み」,コンクリート工学,Vol.54,No.10,2016年10月
- 「コンクリート構造物の品質向上と表層品質評価手法」,コンクリート工学,Vol.50,No.7,2012年7月
- 「目視調査に基づくコンクリート構造物の表層品質評価手法の実績と調査結果を反映した表層品質向上技術」,コンクリート工学,Vol.52,No.11,2014年11月
- 「目視調査に基づくコンクリート構造物の表層品質評価手法の特徴・傾向に関する分析」,コンクリート工学年次論文集,Vol.37,No.1,2015年
- 「目視評価法によるコンクリート構造物の表層品質評価の継続的適用と各種品質向上施策の効果の検証」,コンクリート工学年次論文集,Vol.39,No.1,2017年
| 評価項目評価基準 | 一般的に「良」とされる範囲(鹿島の目標は3点以上とする) | 不適合 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 4点 | 3点 | 2点 | 1点 | ─ | |
| ①打重ね線 (10m離れた位置から) |
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構造物のオーナーから不具合と判定される状況で補修を要するもの |
| ②表面の色つや | ![]() |
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| ③表面気泡 | ![]() |
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| ④沈みひび割れ | ![]() |
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| ⑤型枠継ぎ目の ノロ漏れ |
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| ⑥砂すじ | ![]() |
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