コンクリートの施工性能評価システム
コンクリートの圧送性や充塡性を評価して初期欠陥を防止
コンクリート構造物を構築する上で、構造物の形状や配筋量などの構造条件、圧送や打込み・締固め方法などの施工条件に対して適切なコンクリート配合を用いなければ、未充塡やコールドジョイントなどの初期欠陥が発生して構造物の品質を損なう恐れがあります。このため、計画段階でコンクリートの施工性能を評価し、適切な施工方法やコンクリート配合を選定することが重要です。
コンクリートの施工性能評価システムは、土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」の考え方に則して、フレッシュコンクリートの施工性能(圧送性・充塡性)を定量的に評価し、初期欠陥の防止を支援するツールです。
特許登録済

評価画面の例
- キーワード
- コンクリート、施工性能、圧送性、充塡性、初期欠陥
システムの詳細
本システムでは、条件設定を行ったあと圧送性の評価を行い、そのデータを自動で引き継いで充塡性を評価します。
圧送性および充塡性の評価では、それぞれポンプ閉塞および未充塡の発生確率を算出します。それぞれの発生確率は、構造条件や施工条件とスランプ(流動性)および単位セメント量(材料分離抵抗性)で表現されるコンクリートの施工性能の関係を用い、スランプの変動を正規分布と仮定した確率論に基づき計算されます。ここで用いている、コンクリートの施工性能の関係は土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」に示されているものです。本システムは、同指針の考え方に準拠しつつ、さらに確率論を加えることで定量評価を可能としたものです。

未充塡の発生確率の算出方法

土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」
特長・メリットココがポイント
システムの使用性が高い
- コンクリートの使用材料や配合、部材の種類、配筋量、締固め作業高さなど基本的な条件のみを用いるため、誰でも簡単に操作できます。
- 計算時間がわずかであるため、条件変更などによる繰返しの検討が可能です。

入力画面
圧送性と充塡性を定量的に評価
- 圧送性として、ポンプ閉塞の発生確率を算出します。
- 充塡性として、未充塡の発生確率を算出します。
- 不具合の発生確率を用いて定量的に評価できるため、構造条件の見直しや施工方法の改善・工夫、適切なコンクリート配合の選定などに役立ちます。

圧送性に関する評価結果の例

充塡性に関する評価結果の例
適用実績
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鹿島では、振動締固めを行う一般的なレディーミクストコンクリート(スランプ8~18cm程度)を用いる全ての土木現場を対象に、施工計画時に本システムを活用してコンクリートの施工性能を評価することを原則としています。
学会論文発表実績
- 「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」,土木学会,2016年6月
- 「初期欠陥を未然に防ぐコンクリート施工性能評価技術」,コンクリートテクノ,2006年11月
- 「(解説)初期欠陥を未然に防ぐコンクリート施工性能評価技術について」,コンクリート工学,Vol.43,No.2,2005年2月
- 「セメント・コンクリートの潜在力と変化する社会への対応,環境負荷低減と初期欠陥を未然に防ぐための施工性能評価の視点から」,セメント・コンクリート,No.707,2006年1月
- 「(報告)コンクリートの施工の問題点とそれらを解決する施工性能評価システムの提案」,橋梁と基礎,2005年10月