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鬼怒川堤防本復旧工事現場で住民見学会開催

2015年9月、台風18号による集中豪雨で決壊した茨城県常総市の鬼怒川の堤防は、国土交通省からの要請を受け、鹿島と大成建設がわずか2週間で緊急仮締切工事を完成させました。現在、その緊急仮締切を撤去し、本堤防を復旧する工事が行われています。2016年3月12日、周辺にお住まいの方を招いた現場見学会が、国土交通省との共催で開催されました。

見学会には、周辺の住民の方24名が参加しました。はじめに国土交通省関東地方整備局下館河川事務所水海道出張所の綿貫所長の挨拶に続いて、工事の概要が説明されました。その後、2班に分かれて、盛土築造の様子、遮水矢板の打ち込みの様子などを現場を歩きながら見学した後、堤防の材料である3種混合処理土(砂、粘性土、レキ質土を混合した材料)の性能を確認する実験を行いました。締固めを行っていない混合処理土と締固めを行った混合処理土にそれぞれ水をかける実験を行い、締固めを行った混合処理土は崩れにくく、水がほとんど浸透しないことなどを、実際に見て、感じていただきました。現場の見学中、および実験後も住民の方から担当者に熱心に質問が寄せられ、工事への関心の高さがうかがえました。見学会後のアンケートには、「細心の注意を払って工事をしていることがわかって安心した」「工事関係者の努力、研究、使用している最新の機械がよく理解できた」等の感想が寄せられました。また、見学後には地元の和菓子店のおしるこが振る舞われ、見学者の皆様に大変好評でした。

鬼怒川左岸堤防緊急復旧工事は、2015年9月に緊急復旧した仮堤防を、2016年6月の出水期前までに本復旧する工事です。緊急復旧した荒締切堤及び二重締切工の撤去、堤防基盤置換、遮水矢板打設、築堤護岸工事等を5月末までの工期で行います。200mの堤防のうち、緊急工事と同様に、上流側100mを鹿島が、下流側100mを大成建設が担当しています。

2016年1月から連接ブロックの撤去が始まり、2月上旬からは荒締切部の掘削を開始、3月上旬からは3種混合処理土による埋戻しが始まりました。堤防に利用する3種混合処理土は、堤防盛土に必要な密度・強度・透水性を満足する最適な含水比(土に含まれる水分量)を求めた上で、重機による転圧回数等の施工方法と品質管理項目を定めています。今後、盛土による築堤工事が最盛期を迎え、5月末の完成までに今回のような住民の方を対象とした見学会が複数回行われる予定です。

図版:上田所長の案内で堤防の盛り立ての様子を見学

上田所長の案内で堤防の盛り立ての様子を見学

図版:堤防の材料となる3種混合処理土の実験の様子

堤防の材料となる3種混合処理土の実験の様子

図版:砂・粘性土・レキ質土を土質改良機で混合して混合処理土を作る

砂・粘性土・レキ質土を土質改良機で混合して混合処理土を作る

図版:現場全景 手前が大成工区、奥が鹿島工区

現場全景 手前が大成工区、奥が鹿島工区

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