特集水害対策技術
鹿島は、気候変動等に伴い増大する水害リスクに対応するため、
「水災害トータルエンジニアリングサービス」を2022年から提供しています。
水災害
トータルエンジニアリングサービス
鹿島グループが有する技術力を結集し、合理的な対策をワンストップで提供することで、水害に備えるお客さまの最適なBCPをサポートします。

水災害トータルエンジニアリングサービスのフロー
鹿島技術研究所 西調布実験場への適用
2019年の台風19号により、鹿島技術研究所西調布実験場の近くを流れる多摩川からの越水が懸念されたことをきっかけに、同サービスによる合理的な水害対策の検討に着手し、このほど工事が完了しました。
敷地全体を守る止水壁と先進的技術
西調布実験場では、基本的には敷地の外周約600mを鉄筋コンクリート造の止水壁で囲むことにより、洪水による敷地外部からの水の侵入を防ぐ計画としました。浸水深は、洪水氾濫解析を行った結果、約1.5mに設定し、敷地の出入口には浮力起伏式止水板を設置しました。また、浸水時避難口や下水管からの逆流を防ぐ二重逆流防止弁を設置しました。

浸水時避難口

二重逆流防止弁
環境と景観への配慮
重要施設を守るだけではなく、周辺環境や景観との調和も重視しています。止水壁の一部には周囲への圧迫感を和らげるガラススクリーン止水壁を導入、また、CO2吸収コンクリート「CO2-SUICOM®」を活用することで環境への負荷を軽減しました。

ガラススクリーンの止水壁

CO2-SUICOM(E)PCa止水壁
万全のサポートでお客さまの施設を守る
今回の工事完了後、西調布実験場の水害対策は運用フェーズに移行しました。運用段階では、災害時の行動タイムラインを見直し、訓練や実際の運用を通してスパイラルアップを図ります。得られた知見をお客さまに還元し、リスク評価、対策立案、対策工事、運用支援まで、全てのフェーズにおいてお客さまにとって最適なソリューションを提供していきます。