「霞が関ビルは,新しい超高層時代の,予言者です。いま,小・中学生であるみなさんも,日本最初の超高層ビルをたてたその学問や技術をひきついで,四十年後には,未来都市を,じっさいに,つくりあげている──ということになりましょう。リレーのバトン・タッチと,おなじです。みなさんは,バトンを,どううけとって,日本の未来都市を,どうつくりあげていくでしょうか。それは,みなさん自身の問題です。」1968年に発行された『少年の科学 超高層ビルのあけぼの』(鹿島出版会)は,こう締めくくられている。
この本を読んだ子どもたちは,どんな超高層時代を想像したのだろうか。今年,数々の首都圏再開発プロジェクトが始動したことを月報で伝えた。そこに,答えがあるのかもしれない。伝統と文化を受け継ぎながらの都市再生,国際競争力に富んだビジネス拠点,防災支援機能の強化,新産業創出,芸術文化の発信拠点──。記事には,様々な都市機能を表す言葉が並んでいた。
2020年に向けた国際都市づくりは,未来都市づくりでもある。