池田 咲
(いけだ・さき/兵庫県出身/生物システム科学専攻修了)
エンジニアリング本部 研究施設第1グループ
2014年入社。建築設計本部で研修後,2015年1月,エンジニアリング本部に着任。同年2月より,医薬品製造施設で生産設備の設計業務を担当。10月からは,「アステラス ファーマテック焼津技術センター5号棟建設工事」で初のバリデーション業務を手掛け,今年1月末,無事竣工を迎えた。趣味はゴルフ。竣工記念に,現場の皆でゴルフを企画中。
大塚美紀子
(おおつか・みきこ/東京都出身/情報科学科)
エンジニアリング本部 研究施設第2グループ
1998年入社以来,エンジニアリング本部一筋。工場や倉庫などの生産設備や物流設備に関わるシステム構築を手掛ける。これまで担当したプロジェクトは十数件を数える。趣味は,肩こり対策のヨガとガーデニング。業務上,現場に数ヵ月常駐することも多く,現地の散策,グルメ巡りも楽しみのひとつ。
お客様に認めていただいた時には大きなやりがいを感じます
白い防護服に身を包み現場に現れたのは,エンジニアリング本部 生産・研究施設グループの大塚美紀子さんと池田咲さん。ここは,大手製薬メーカー「アステラス製薬」が誇るグループ最大規模の製剤生産拠点となる「焼津技術センター5号棟建設工事」(静岡県焼津市)の現場だ。現地を訪ねた昨年12月下旬は,1月末の竣工を控え,仕上げ工事,生産・物流設備の試運転調整等の作業が行われていた。「医薬品を扱う施設なので,施工中からクリーン度の高いエリアは塵や埃を持ち込まないよう防護服を着て作業します」と話す入社2年目の池田さんは,生産設備のバリデーション業務を担当している。バリデーションとは,医薬品製造における工程や方法が目的とするものを製造するために最適かどうかを検査し,文書化する作業。薬剤の品質に直結する重要な業務であり,設計図との照合,機器の連動確認など,引き渡し前に細部にわたり検証が行われる。
「設計から施工管理まで,トータルコーディネートしたかった」と話す池田さん。エンジニアリング本部の仕事は,まさしく彼女が理想とするものだった。同本部は建築設計や施工部門と連携して,生産施設における設備(製造・搬送・包装機械等)の設計・レイアウト・搬入・据付け・試運転調整からアフターフォローまで,生産・物流設備に関する一連のサービスを提供する部署だ。池田さんは,滋賀県にある医薬品製造施設で生産設備の設計業務を経験した後,今回,初のバリデーション業務を担当した。「この2年間で,ひと通りエンジニアリング本部の仕事を経験しました。お客様の要求を叶えていくことは難しいことではありますが,その分,お客様に認めていただいた時には大きなやりがいを感じます」。
大塚さんは,このプロジェクトで物流設備を制御・管理するシステムの設計,施工管理を担当した。薬の原料となる各種薬剤の計量・搬送を自動化し制御するシステム,製造した製品在庫の入出を管理するシステムなど,その業務は多岐にわたる。巨大な生産施設の物流の仕組みを,ユーザーやベンダーとともに彼女がつくり上げたのだ。「施設が稼働すると,数百種類の原材料・中間製品が管理・制御されます。薬剤の管理は人の命に関わるので,システムの不具合は大きな事故につながりかねません。アステラス製薬の担当者の方々と連携し,入念にシステムづくりを行いました」。
1998年入社の大塚さんは,大学では情報化学科を専攻。プログラミングの仕事に就くことを希望していた。当時はインターネットが普及しはじめたばかりの頃,新卒採用はシステム系の会社が多い中,建設会社の募集に目がとまった。「人事や経理等の社内システムのプログラミングが仕事だと思っていたので,建設業らしい仕事ができて嬉しい」。
池田さんは生産設備,大塚さんは物流設備の担当だったため,直接業務で関わることはなかったが,事務所では隣の席に座り,仲の良い先輩・後輩の関係だ。「現場によっては,生産設備と物流設備を連動させ自動制御するシステムや,生産設備の稼働状況や結果を管理するシステム構築も手掛けています。いつか池田さんとコラボレーションできればいいなと思っています」。
私達は物流システムの設計・施工を通して,当社の要望を鹿島さんにお伝えし,使いやすく信頼性の高いシステム構築を目指してきました。主に大塚さんと一緒に仕事をしてきましたが,彼女は推進力・影響力の強い人で,我々からの要望に対しスケジュール内で手戻りなく対応していただきました。お陰様で1月末,待望の5号棟が完成しました。皆の力を結集してつくり上げたシステムを使う日が今から楽しみです。ここでの経験を,さらに最先端の工場づくりに役立てていただけたら嬉しいです。大塚さんも池田さんも仕事にプライベートに,益々のご活躍を期待しております。