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グリーンインフラをつなぐ メガソーラーを守る「生き物除草®」 那須とふりメガソーラー

ヒツジが守る日射

再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入によって,各地で普及するメガソーラー。日当たりのよい敷地で伸びやすい雑草が太陽光パネルへの日射を遮れば,発電効率が低下する。その除草をヒツジが行う「生き物除草®」の事業化に向け,実証実験が進んでいる。

「那須ちふりメガソーラー」(栃木県那須郡那須町)は,当社が所有するゴルフ場「那須ちふり湖カントリークラブ」の隣接地に,約3haの土地活用として開設。最大出力約2MWの設備は,年間発電量が一般家庭の約550世帯分に達する。このサイトの一部では2頭のヒツジが雑草の「管理人」を務める。

このプロジェクトの土地活用と発電事業は当社の開発事業本部,「生き物除草®」の技術は環境本部,メガソーラーのO&M(運営・維持管理)は鹿島建物総合管理(鹿島建物),そして,ヒツジの飼育管理は,廃棄物処理を行う都市環境エンジニアリングが手がける。

写真:ヒツジが除草する「那須ちふりメガソーラー」

ヒツジが除草する「那須ちふりメガソーラー」。太陽光発電パネルの表面にかかる草だけでなく,背面の草も発電効率に影響するとされるが,2頭のヒツジがすみずみまで食べていく

鹿島グループでは,インフラに自然の仕組みを取り入れながら,生活環境を改善・効率化する「グリーンインフラ」の構築をめざしてきた。メガソーラーにおけるヒツジの除草はその一環であり,関連サービスのすべてを鹿島グループがワンストップで提供できる。

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広大な敷地でのトリプルゼロ

同じ草食動物でもヤギは高いところに登る習性があるため,太陽光パネルを傷つける恐れがある。それに対してヒツジは低い位置にある草を好んで食べるため,メガソーラーにうってつけだ。

ヒツジは草の種類を選り好みせずにきれいに食べ,「騒音ゼロ,CO2ゼロ,廃棄物ゼロ」のトリプルゼロを計画どおりに実現。草刈り機で電線を誤って切るようなリスクもない。除草面積が広く,土地に傾斜のあるメガソーラーへの有効性にも確証を高めている。

グループ連携で築くグリーンインフラ

当社の開発事業本部と環境本部とともに施設のO&Mを担う鹿島建物は,現在,全国30施設でメガソーラーのO&Mを行っている。草刈りでの騒音や飛散,除草剤による環境への影響などの心配がなく,施設の近隣住民の不安を払しょくできるサービスとして,「生き物除草®」の実証に取り組んでいる。

草しか食べないヒツジは,フンの臭いがなく,鳴くこともほとんどない。那須ちふりメガソーラーでは,エコな取組みの愛らしいシンボルとして,ゴルフ場の従業員たちの人気者となっている。

ヒツジを育てた都市環境エンジニアリングは,廃棄物処理事業とともに,循環型社会の形成に寄与するアグリビジネスも展開している。同社の「Kファーム朝霞農場」(埼玉県朝霞市)は,鹿島と鹿島建物の関連施設で働くヒツジの全頭を送り出す。

本文中の太字は鹿島のグループ会社を示す。(次ページ以降も同様)

図版:グループ連携で築くグリーンインフラ

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