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発掘!旬の社員

file-01 土木工事の行方をにぎる設計技術者コンビ 最前線で課題に取り組むことが最大のやりがい

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写真:毎日欠かさず現場を巡回するという森田さんと樽谷さん

毎日欠かさず現場を巡回するという森田さんと樽谷さん。2人にとって「施工品質の確認は,工事担当の社員と意思の疎通が図れているかどうかに関わる重要なルーティン」
photo: 大村拓也

森田大介

もりた・だいすけ/富山県出身/環境情報学府環境システム学専攻修了
東京土木支店 外環中央JCT北側ランプ工事事務所工事課長代理

2005年入社。土木設計本部で設計実務を経験後,2008年4月からアルジェリア東西高速道路建設工事に赴任。1年5ヵ月の任務を終えて帰国。再び土木設計本部を経て,2010年12月から中央環状品川線シールド(北行)五反田出入口工事に携わる。3度目の土木設計本部勤務後,2016年7月より現職。趣味はスキー,スノーボード,サッカー,バーベキューなど幅広い。

樽谷早智子

たるたに・さちこ/東京都出身/環境情報学府環境システム学専攻修了
東京土木支店 外環中央JCT北側ランプ工事事務所

2011年度入社。2017年8月まで所属した技術研究所土木構造グループでは,鋼およびコンクリート構造に関する研究に従事し,コンクリート床版,シールドセグメントなどの開発を行う。2015年11月より産休・育休を取得。一児の母となる。2017年4月に復帰し,同年9月より現職。現在,子育てと現場業務の両立を実践中。趣味はスポーツ全般。

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課題解決の舵取り役

あらゆる状況を想定し,周到に準備して工事に臨んだとしても敷地条件や自然環境に即した対応は欠かせない。「現場が予期せぬ課題に直面したとき,解決への舵取り役を担うのが設計技術者の役割」と口を揃えるのが,外環中央JCT北側ランプ工事事務所(東京都三鷹市)の森田大介工事課長代理(2005年入社)と樽谷早智子所員(2011年入社)だ。当社JVが設計・施工で進めるこの現場で2人は設計と施工管理を担っている。

ともに学生時代からの現場志望。同じ大学の先輩と後輩でもある。樽谷さんの就職活動時にリクルーターを務めたのが森田さんだった。

現在急ピッチで建設が進む東京外かく環状道路の工事。首都高速中央環状線,圏央道とともに三環状の一つとして首都圏の大動脈となるものだ。2人が従事する中央JCT北側ランプの施工は地下約50mを走る本線と地上出入口をつなぐ工事となる。

現場と設計をつなぐ役割

「現場に常駐する設計技術者の役割は,刻々と移り変わる工事の状況に応じ,効率的な仮設計画や合理的な構造への変更などを立案することです。発注者や施工担当の社員などからの相談をもとに,迅速かつ綿密に計画を立てるのが仕事」と森田さんは語る。一例に挙げるのが工事車両のための動線の構築だ。現場の敷地は中央自動車道と交通量の多い都道の吉祥寺通りに接する場所。着工当初はさらにこれらと交差する北野中央通りが工区を貫いていた。当社JV工区 周辺は他社工区も密集する狭隘なエリアで工事車両の渋滞を招きかねない。森田さんはこうした条件を改善したいと考えた。「発注者である国土交通省と協議を重ね,まず北野中央通りを現場の外を通るルートに切り替えました。こうして現場内のスペースを確保し,さらに中央道から各工事エリアに直接アクセスできる工事車両専用の仮設橋梁同士をつないで連続化・立体化することで,工区一帯の車両の流れをスムーズにしました」。

入社当時は土木設計本部勤務だった森田さん。2008年から設計技術者として現場に出る機会が増えた。これまでにアルジェリア東西高速道路建設工事や,中央環状品川線シールド(北行)五反田出入口工事に携わり,これらの大現場で「設計技術者とは設計と現場をつなぐ重要な役割であると実感した」という。

写真:「図面に描いた設計者の意図を現場と共有する。そのためには,日ごろのコミュニケーションが大切なんです」という森田さん(左から3人目)

「図面に描いた設計者の意図を現場と共有する。そのためには,日ごろのコミュニケーションが大切なんです」という森田さん(左から3人目)。一昨年の現場立上げ時には現場事務所のメンバーを自宅に招いてバーベキューを主催した。以来,皆家族ぐるみのつきあいだという

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現場ならではの試行錯誤

樽谷さんは現在,初の現場となるこの工事で本線へのアクセス路の躯体となるプレキャスト(PCa)のボックスカルバートの設計を担当している。幅13m×高さ10mの大断面を9つのセグメントに分割して据え付ける。技術研究所土木構造グループで,床版やシールドセグメントの研究開発に携わった樽谷さんの専門性が生かされる業務だ。しかし,現場ならではの難しさにも直面している。「この地域は地下水を多く含む地盤で,地下構造物に大きな水圧がかかります。大断面のPCaボックスカルバートの止水性を高める構造のディテールに苦心しています」。社内では各分野の専門家約30人が集結し,大規模な防水対策の検討会を行った。森田さんのサポートを受けながら,樽谷さんは様々な意見を集約させた。「自然条件を克服するための試行錯誤は現場ならでは。多くの方の協力を得ながら最前線で課題に取り組むことが最大のやりがいです」。

写真:「人と人とのつながりを大切にしたい」という樽谷さん

「人と人とのつながりを大切にしたい」という樽谷さん。「全員で一つの目標を達成するために日々意見を出し合い,つくられていく現場の空気に刺激を受けています」。一昨年には母となり,子育てと現場業務に奔走する毎日だ。「貴重な週末は子どもと自転車で遊びに行きます!」

チームメイトとして,ライバルとして

設計技術者として現場で席を並べる森田さんと樽谷さん。今や同じ目的を共有するチームメイトだ。「樽谷が研究職として培った経験は,現場で即戦力として生かされています。これからは現場の経験値を存分に高めてほしい」(森田さん)。一方の樽谷さんは「土木技術者として働くなら鹿島と思うきっかけになったのが森田さん。設計・現場の知識,仕事への取組み方など,多くのことを吸収したい」。そんな2人の目標はともに現場所長になることだ。森田さんは「そのためにも視野の広い技術者でいることを忘れないようにしよう」と説く。腐れ縁というには清々しい,同じ目標を抱き切磋琢磨する2人が,難工事を突破する原動力となっている。

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