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似た景色

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図版:地球上で最も低い地表(死海,イスラエル)

地球上で最も低い地表
(死海,イスラエル)

今回は,宇宙から見えた,ふたつの似た景色を紹介する。まず,イスラエルとヨルダンの国境に位置する死海。一般には水に浮かびながら読書する光景が思い浮かぶが,一方でこんな表情をもつ塩湖だ。画面左の南側に広がる碧の湖沼には,塩化ナトリウムやカリウム塩を精製するための蒸発設備がある。

海抜約マイナス430mと“地球上で最も低い地表”に存在するため,この湖から流れ出る川はない。ヨルダン川から水が供給されるものの,年間を通して高温で,降水量が極端に少なく,そのほとんどが蒸発で失われる。ミネラルが豊富に溶け込んだ死海の水は美容健康に有効であることが古くから認められ,沿岸にはクレオパトラが化粧品をつくったと伝えられる工場跡地が残されているという。

地図:死海,イスラエル
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図版:さまよえる湖(ロプノール,中国)

さまよえる湖
(ロプノール,中国)

もうひとつは中国,新疆ウイグル自治区にあるロプノールという湖。19世紀に探検家スヴェン・ヘディンが「さまよえる湖」と呼んでここを発見したものの,どこにあるかもわからない伝説上の存在だった。もともとこの地はシルクロードの要衝として栄えた都市国家・楼蘭を支えられるほどの豊富な水源地。ヘディンが見つけた当時はロプノール湖の湖床だったが,後年この地に再び湖が出現し,彼の説が裏付けられたのだった。現在,ここには全長20kmにも及ぶ塩田の施設が見える。湖床から塩化カリウムなどの肥料用の塩を採取・精製していると考えられている。

地図:ロプノール,中国

T.A.R.O.

衛星画像のスペシャリスト集団。東京・日本橋にて超小型衛星の設計・製造・運用を行うアクセルスペース社のビジネスチーム。画像は,24時間365日,高度500kmの上空から地球観測(リモートセンシング)を続ける同社開発の超小型人工衛星「ほどよし1号機」が撮影したもの

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