vol.74
今の世にも通じる先人の金言
日刊建設工業新聞社 編集局長 遠藤奨吾
社内の書庫や書棚には建設関連企業・団体が発刊した多くの書籍が並ぶ。調べものなどがある時に手に取ることはあるものの,数十年以上が過ぎた書籍については失礼ながらよほどのことがない限り目を通すことはないだろうと思っていた。
そのよほどのことが,鹿島の社内報『KAJIMA』を読んで起きた!
2018年6月号の特集「鹿島グループ中期経営計画2018~2020」の中で,押味至一社長が今の時代にも生かせる教訓として「事業成功の秘訣二十ヵ条」を列挙。戦前の1936(昭和11)年,鹿島組取締役就任後に鹿島守之助氏が発表したもので,『鹿島守之助経営論選集 第1巻 勝利への道』からの引用とあった。
「勝利への道」という副題にも引かれ,社内を探してみたもののなかなか見つからなかったが,編集局応接室のサイドボードにあることが判明。打ち合わせなどでも普段よく使う部屋ながらこれまで気づくことがなく,まさに「灯台もと暗し」であった。
今,書籍を手にしながら,きっと会社の大先輩が,後輩たちが読み継いでいくべき書籍として置かれたに違いないと思いを巡らせている。