三菱電機 名古屋製作所
第二FA開発センター
世界のものづくりの現場を牽引する
FA開発拠点
Photo:解良信介 / URBAN ARTS
三菱電機名古屋製作所のFA(Factory Automation)製品開発は,世界トップレベルの技術力を誇る。2001年にFA開発センターが,そして2017年に,この第二FA開発センターが稼働。2棟合わせて4,000人のFAエンジニアがその開発に挑んでいる。
エンジニア間の連携強化を目的につくりだした「ひとつながりのワークプレイス」は,建物中央のアトリウムと,多様なバリエーションを持ったオープンな打合せスペースとして巨大な部屋となり,エンジニアたちを緩やかにつなぐ。幅広い技術と知見の連携・共創によってつくりだすことが可能なFA技術にとって必要な「コミュニケーション強化の仕掛けづくり」と,大規模自然換気システム・昼光利用に代表される「多様な環境配慮技術」を,アトリウムを核に統合した。
「工場内ルールのオフィスへの適用」との命題から,エンジニアの人体行動に基づく,きめ細かな安全対策,視認性の確保,日常的な防災への配慮など,徹底的に安全で機能的,無駄のない空間づくりを目指し,丁寧に検討を重ねた。建物のユーザーとなるFAエンジニアたちとの今後のFA開発現場をめぐる議論から,彼らの未来志向の想いや,日々の働き方を汲み取り,具現化することは,常に新鮮であり,その一貫した思想には明快な軸を感じ取ることができた。この建物が2,000人を超えるエンジニアたちの「新しい日常」となり,世界のものづくりを支える「マザー開発拠点」としてさらに飛躍されることを切に願う。(松岡良樹)
三菱電機 名古屋製作所
第二FA開発センター(名古屋市東区)
名古屋製作所の主力製品群であるFA機器の研究開発拠点。
世界の工場で高度化されるFA化を牽引するFAグローバル開発拠点でもある。
長さ100m×奥行き45m,延べ約3万m2の建築ボリューム内に,研究開発オフィス,
実験ラボ,大ホールなどが収容される。
2018年 日経ニューオフィス賞 中部ニューオフィス推進賞受賞
- 発注者: 三菱電機
- 設計: 当社中部支店建築設計部
- 用途: 文化社会施設
- 規模: S造 7F 延べ31,430m2
- 工期: 2016年5月~2017年6月竣工
(中部支店JV施工)
堀部義広
(ほりべ・よしひろ)
中部支店建築設計部
グループ長
- 主な作品:
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- イオンモール長久手
- 三菱電機稲沢独身寮
(オーシエル国府宮) - コーンズハウス名古屋
- 眼科三宅病院
- トヨタ自動車東富士研究所
パワートレイン研究開発棟
山口正晶
(やまぐち・まさあき)
中部支店建築設計部
設計長
- 主な作品:
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- 三菱電機FA開発センター
- 三菱電機FA機器生産棟
(E4工場) - 三菱電機第一福祉棟
- 三菱電機稲沢独身寮
(オーシエル国府宮) - 富士フイルム名古屋ビル
松岡良樹
(まつおか・よしき)
中部支店建築設計部
設計長
- 主な作品:
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- 鹿島伏見ビル
- コーンズハウス名古屋
- 赤門通ビル
- 多摩美術大学附属図書館
- 秋葉原ダイビル