オンとオフを演出
一日のかなりの時間を過ごすワークプレイス。オフィス環境や人間関係がワーカー個人の心理面や,生産性にも大きく影響を及ぼすこともある。よって,単に業務効率だけを求めるのではなく,快適で健康的に過ごせること(スマート&ウェルネス)も,近年大切な要素となってきている。
創業100周年を迎えた食品メーカー,ハウス食品グループの本社建替え計画では,竣工と同時期に行われた持株会社体制への移行を背景に,新社屋にはグループの一体感を醸成できるような空間が求められた。そこで,部署間の連携や変更に柔軟に対応できるよう,複数部署がワンフロアに同居する壁のない一体型オフィスとし,デスクワゴンをなくし大型の長机であるフリーデスクを設置。什器・レイアウトを標準化したフリーアドレススタイルとなっている。
こうしたスマートなオフィスフロアの中央にはリフレッシュコーナーを配し,眺めのよい5階の食堂は「オン」「オフ」に転用できる明るく開放的なスペースとし,コミュニケーションを活性化できる設えとした。
また「ペパーミント」「ターメリック」など,同社の象徴であるスパイスの名前や色を会議室の愛称やフロアカラーにしている。色彩効果とともに,親しみや安心感をもたせている。
建物全体を覆う大きな傾斜屋根に象徴された「ひとつ屋根の下の仲間」の雰囲気が溢れ,心身ともにリフレッシュできるワークプレイスとなっている。
ハウス食品グループ大阪本社
- 場所:
- 大阪府東大阪市
- 発注者:
- ハウス食品グループ本社
- 設計:
- 当社建築設計本部
- 用途:
- 事務所
- 規模:
- RC造一部S造 6F 延べ6,462m2
2013年8月竣工(関西支店施工)