「鹿島スマート生産ビジョン」—— 2018年11月に発表されたこのビジョンは,
建設業就業者不足への対応や働き方改革の実現に向けて,建築工事にかかわる
あらゆる生産プロセスの変革を推進し,生産性の向上を目指すものとして策定された。
今月の特集では,取組みの最前線の現場を紹介するとともに,
ビジョン実現がもたらす展望を読み解く。
鹿島スマート生産ビジョンの
3つのコア・コンセプト

人と機械(ロボット)の協働による生産性向上を図る。資材運搬などの単純作業や耐火被覆吹付けなどの厳しい環境下での作業は機械化を進める一方,特殊な部材の施工や複雑な調整を必要とする作業は,これまでどおり人が行う。
現物確認と遠隔管理の組み合わせで,現場管理者の働き方改革を図る。作業進捗状況などの単純な確認業務は,工事事務所や現場外からの遠隔管理にシフトするとともに,協力会社など関係者とのリアルタイムな情報共有を推進する。
BIM※を基軸としてあらゆるプロセスをデジタル化し,生産性の向上を図る。BIMの活用により,詳細な仕様決定や図面上の干渉・不整合箇所の確認と修正作業を迅速化。施工ロボットや現場管理ツールとのデータ連携による省人化などを推進。
※BIM:Building Information Modeling