三井リンクラボ新木場1
Newスタンダードを創る
北面全景
photo: 石黒写真研究所
事業者初の賃貸型レンタルラボの新築計画。これからの賃貸ラボのスタンダードとなる施設を目指し,事業者と協力しながら仕様を丁寧に練り上げた。顧客ターゲットはバイオテクノロジーや創薬分野の研究を扱うライフサイエンス領域の様々な企業。前例がない中で当社の生産研究施設の豊富なナレッジから類似施設仕様を比較し,多様なニーズに対応可能で合理的な計画を提案した。
基準階は1区画110m2を基本モジュールとし,1フロア最大14区画の一括借りにも対応している。空調衛生設備は設備バルコニー,電気設備は共用廊下からラボへ供給し,設備系統を明確にすることで専有面積を最大化した。入居者のドラフトチャンバー※などの局所給排気設備の設置を柔軟にできるよう,給排気ダクトルートの確保や排風機などの入居者設置設備機器のための屋上架台を設けるといった拡張性を持たせた。1階は企業同士のコミュニケーションの場として会員ラウンジ,カフェ,会議室,テラスなどを計画した。内外装は天然木材や木のモチーフを採用し,新木場という場所の特性を意識したアイコニックなデザインとした。
※ 研究所や実験者を有害物質から保護することを目的とした 局所排気装置
外周部には設備バルコニーを設けている。将来設置される設備機器や配管位置を想定し,目隠しルーバーを計画することで設備機器を隠しつつラボからの眺望を確保した。また,ラボからの局所排気ダクトや給排水配管などの将来ダクト配管貫通対応として,逆梁構造を採用しルートを確保しながら,上部を交換可能なアルミパネルとしている。
こうした事業者と二人三脚で創り上げたNewスタンダードが功を奏し,現在多くのテナントが入居している。そして,2期計画も始動。新木場がライフサイエンスラボのオープンイノベーション拠点となる将来も近いかもしれない。
(深井繁人・尾崎健・楠元秀規)

エントランス
photo: 石黒写真研究所

エントランスホール
photo: 石黒写真研究所

カフェ・ラウンジ
photo: 石黒写真研究所

設備バルコニー
photo: 石黒写真研究所

ラボ
photo: 石黒写真研究所

会議室
photo: 石黒写真研究所

共同廊下
photo: 石黒写真研究所

三井リンクラボ新木場1(東京都江東区)
- 発注者: 三井不動産
- 設計: 当社建築設計本部
- 用途: 研究施設
- 規模: SRC造 6F,PH1F 延べ11,170m2
- 工期: 2020年2月~2021年3月
(東京建築支店施工)
深井繁人
(ふかい・しげと)
建築設計本部
シニアマネージャー
- 主な作品:
-
- 東京ミッドタウン日比谷
- 東雲合同庁舎PFI事業
- 集英社第二本社ビル
- 三井リンクラボ新木場1
尾崎 健
(おざき・たける)
建築設計本部
アシスタントチーフ
- 主な作品:
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- 三井リンクラボ新木場1
楠元秀規
(くすもと・ひでき)
建築設計本部
アシスタントチーフ
- 主な作品:
-
- 東京測器研究所本社ビル
- 三井リンクラボ新木場1