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令和 そして…

既存の鉄道のさらなる利便性の向上や都市の交通課題の解消を目的とする高架化,
駅の改良などのニーズは絶えない。列車を運行させながらの施工や,
限られた時間内での施工は徹底した安全管理が不可欠で,工事はますます複雑化し
高度な技術が求められている。
ここでは,これまで積み重ねてきた「鉄道の鹿島」という誇りを背負って立つそれぞれの所長に,
今の現場の様子とともに工事への思いを語ってもらった。

JR渋谷駅改良

photo: Takuya Omura (協力:JR東日本)

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〈JR渋谷駅改良(北)工事〉 ~50時間を超える長時間連続作業~

東京都の中心部,若者の街として知られる渋谷駅で,2015年から工事を開始し,渋谷駅の機能更新と再編,中央棟低層部の構築を行っています。当社JVは,3工区ある施工範囲のうち,新宿方面に当たる北工区を担当しています。既に埼京線ホームと山手線ホームの並列化,山手線のホーム一部拡幅まで施工済み。現在は,中央棟低層部,北口(ハチ公口)乗換えコンコースの拡充工事を施工中です。

当工事での大きなポイントは全5回の営業線の切換工事にあります。2021年10月に第3回の約54時間連続作業をして完遂しており,次の第4回切換工事に向け鋭意施工中です。埼京線ホームの切換工事や,JRさんでも経験がないほど長時間にわたる山手線(外回り)の運休実施など,非常に難易度の高い工事です。回を増すごとにインターバルが短くなり,厳しい工期ですが,ひとたび何かあれば社会的影響が大きいのが,当工事。
万全の体制で臨みます。(柴田知之所長)

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柴田知之所長

図版:第1回切換工事の既存桁撤去作業

第1回切換工事の既存桁撤去作業

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阪急淡路駅付近連続立体交差

photo: Takuya Omura

〈阪急淡路駅付近連続立体交差工事(第4工区)
~あらゆる制約下での高架化工事~

現在,大阪市東淀川区で,阪急電鉄京都線・千里線の連続立体交差事業が進められています。大阪市都市計画道路整備事業の一環で,淡路駅を中心に総延長7.1kmを高架化させます。当社JVは京都線側の淡路駅中央部からJRおおさか東線交差部分までと,千里線側のJR東海道新幹線の手前までの区間を担当。直上施工※1と別線施工※2を織り交ぜながら合計960mを施工する高架橋工事です。

特徴としては,複数の鉄道に分断された地域で主要道路がないという厳しい資材運搬条件,限られた狭隘な工事ヤード,施工時間の制限など,あらゆる制約をうける中での工事となっています。

現在施工中の阪急京都線側のトラス橋の高架化に向け,当社が掲げているスローガン通り安全と品質面において,大過なく無事に完成させる。そこに尽きます。CIMによる仮想空間でのシミュレーションを駆使するなど,綿密な施工計画をし続けることで実行していきたいと思っています。
(佐野敏之所長)

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佐野敏之所長

※1 現在線を走らせながら,その上空を防護して構造物を構築する

※2 現在線を走らせながら,その横に構造物を構築する

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Web連載 第57回
「鉄道開業150年 さまざまな峠越え,
谷越え」

新橋・横浜間に日本初の鉄道が開業してから150年を迎えた。鹿島は1870(明治3)年10月にこの工事で線路撒布用の砂利を納入している。まだ洋館工事に専念し「鹿島方」を名乗っていたころだった。

今回の「鹿島の軌跡」では,1880(明治13)年に鹿島組を興して鉄道請負に転進した鹿島の鉄道創世記時代の難工事,峠越え谷越えのうち敦賀線柳ヶ瀬トンネル前後,直江津線大田切の大築堤,東北本線奥中山,山陽本線セノハチなどを取り上げている。

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