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平成

平成では全国各地の新幹線の路線が数多く開業するなど,鉄道はより多様化され,便利になっていく。
1991(平成3)年東北新幹線東京~上野間が開業し,その後九州新幹線,北陸新幹線,北海道新幹線など
全国の路線網が次々と延びていく。また,首都圏においてはJR京葉線やつくばエクスプレスといった
既存の通勤路線を補完する新線が開通し,都心では都営大江戸線や東京メトロ副都心線などが整備されるなど
鉄道網がますます充実した。当社は,日本建築史上でも類を見ないビッグプロジェクトとなる
東京駅丸の内駅舎の保存・復原,丸の内広場整備や東北縦貫線,北海道新幹線函館総合車両基地,
北陸新幹線白山総合車両基地,北海道新幹線津軽蓬田トンネルなどを施工し,鉄道の発展に寄与してきた。

東北縦貫線

photo: Takuya Omura

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〈東北縦貫線〉 ~新幹線直上での難工事~

東北縦貫線は,JR東日本の東北・高崎線,常磐線上野駅と東海道線東京駅との間を繋げる新たな在来線(上野東京ライン)。2015年3月に開業し,群馬,栃木,茨城,埼玉,神奈川との直通運転を可能とした路線だ。

その路線の中でも,当社は東北新幹線が走行する高架橋の直上に新線の高架橋を重ねて新設する極めて難易度の高い工区を担当。東京駅と上野駅を結ぶ3.8kmのうち,神田駅付近の区間約1.5kmを施工した。

作業時間が新幹線や隣接する在来線の終電から始発までの時間と空間が限られた厳しい条件の中,完成させた工事は首都圏の交通ネットワーク向上に寄与した。

図版:東京駅と神田駅の中ほどに組みたてられた架設機

東京駅と神田駅の中ほどに組みたてられた架設機

photo: 川澄・小林研二写真事務所/中村 隆

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東京駅丸の内駅舎保存・復原,丸の内広場整備

photo: Takuya Omura

〈東京駅丸の内駅舎保存・復原,
丸の内広場整備〉

~歴史的建造物の復原と憩いの場~

東京駅丸の内駅舎は,1914(大正3)年に辰野金吾の設計で完成したが,戦災により屋根や内装が焼失した。戦災復興工事により,3階建ての駅舎を2階建てに復建し,2003年には国の重要文化財に指定されている。

その東京駅を,現存する駅舎を可能な限り「保存」し,焼失した3階部分の「復原」に加え,地下部分の大規模な免震化工事を当社が5年半の歳月をかけて,2012年に竣工した。

また,丸の内駅舎の前に広がる駅前広場整備も当社が担った。国産の真っ白な御影石による舗装と重厚な赤煉瓦の色調が,この場所の格式の高さを引き立てている。広々とした空間は都市の喧騒を忘れさせる憩いの場となっている。

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図版:現存する部分を最大限に活用したドーム内観

現存する部分を最大限に活用した
ドーム内観

photo: エスエス/走出直道

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鉄道開業とともに歴史を歩み続ける
桜木町駅(旧横浜駅)

現在のJR桜木町駅は,新橋・横浜間の鉄道開業当時の横浜駅にあたる。当社はこの桜木町駅において,過去から現在に至るまで数多くの改良工事を手掛けてきた。

1964(昭和39)年5月に根岸線が桜木町から磯子まで延伸される際には,橋脚23基や,桜木町駅ホーム改築工事を施工した。

横浜市が進める世紀のプロジェクト「みなとみらい21」事業では,盛土高架を撤去し,高架橋方式による鉄道立体交差を施工するとともに,駅舎の更新工事を担った。下り線,中線,上り線と3回にわけ実施した線路の切換工事は,終電から始発までの限られた時間帯で完遂した。

最近では駅ビル「CIAL桜木町」や桜木町駅新南口(市役所口)新設工事を施工している。

図版:2014(平成26)年に竣工した駅ビルCIAL桜木町

2014(平成26)年に竣工した駅ビルCIAL桜木町

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