新日下川放水路 完成式
2024年4月21日、鹿島が高知県高岡郡日高村で施工を進めていた「新日下川(くさかがわ)放水路」の完成式が、現地吞口導水路前で行われました。
式典には、発注者である国土交通省関係者および来賓として高知県・濵田知事ほか地元の関係者らが出席。鹿島・押味会長ほか工事関係者を含む約160名が参列しました。式典は国土交通省・尾﨑大臣政務官の式辞等に続き、施工者を代表して押味会長が挨拶しました。くす玉開披の後、場所を移して餅投げ等が行われ、イベント会場に集まった多くの住民らと共に放水路の完成を祝いました。
日下川は、高知県を流れる一級河川仁淀川の支川です。日下川下流に向かって標高が高くなる地形のため、流域ではたびたび洪水被害が発生していました。その対策として、増水した水を仁淀川へ排水するための放水路が2本整備されていましたが、2014年の台風により、日高村の約160戸が床上・床下浸水するなどの甚大な被害が発生。3本目の放水路を建設することになったものです。鹿島は、全長約5.3kmの放水路のうち、トンネル区間の吞口側2.85kmをNATM工法で施工。工事は2018年1月に着工し、2023年3月末に完了しました。
本放水路のトンネル部分は、一般的な2車線の道路トンネルと比べ幅が3割程度狭く、直径7メートルの円形です。狭隘な坑内での作業をより効率的かつ安全に進めるため、様々な新技術を採用しました。また、鹿島が幹事をつとめるコンソーシアム「CUCO®」の成果第一弾として、カーボンネガティブコンクリートを用いた「CUCO®-SUICOM型枠」(クーコスイコム型枠)※を適用しました。
本放水路の完成により、2014年の台風と同規模の洪水が発生しても日高村での床上浸水被害はゼロとなることが期待されています。周辺地域の安全に貢献する施設が完成しました。
- ※参考:プレスリリース
- NEDOグリーンイノベーション基金事業の成果としてカーボンネガティブを実現するコンクリートを用いた「CUCO-SUICOM型枠」を国土交通省発注の現場に初適用(2022年11月16日)